スロースリップを報じるNHKニュース 2014.1.10 NHKホームページより |
房総半島沖スロースリップは、単なる歪みの解放なのか、心配されている巨大地震の前兆なのか。私のブログ掲載記事「地震予知はGPS解析とスロースリップ前兆で可能ではないか」(2013.10.12掲載)は普段でも根強いアクセスがあったが、ここに来て急激にアクセス数が増えた。
何があったのかと、気象庁の地震情報を見たが千葉県東方沖地震は頻発しているが、房総半島南方沖地震は昨年5回発生しているだけで、よく分からなかった。
ところが、讀賣新聞(2014.1.11)に「房総半島沖でスロー地震」というタイトルの記事が目に止まった。
それによると、防災科学技術研究所の発表として、房総半島沖で地下プレートがゆっくり滑る「スロー地震」を観測、「しばらくは地震に注意してほしい」と警告している。2日から滑り始めM4クラスの地震が数回発生しているというのだ。
もう一度、気象庁地震情報を見たが、千葉県東方沖地震のようだ。千葉県で震度3の揺れを観測している。
国土地理院の発表では、この付近の地殻変動は通常だと北西方向に動いているのが、2日から10日にかけて最大で6cm、逆の南東方向に動くスロースリップが起きたという(MSN産経ニュース2014.1.10)。
平成8年から4回、2002,2007,2011,2014年にスロースリップが見られ通常間隔は50~77ヶ月だったが今回は前回から7ヶ月の最短だという。2011年は東北地方太平洋沖地震の直後だった。
スロー地震は、従来から言われているエネルギーが解放され歪みが小さくなったのなら良いのだが、スロー地震が止まったところが巨大地震の発生源になっているという研究もあるのだ。
あの2011.3.11の東北地方太平洋沖地震の前に北の方からスロー地震が発生し、それが南下して止まったところに超巨大地震が発生したのだ。
更にスロー地震は、歪みを解放するのではなく、固着域が滑るとスロー地震域も滑って巨大地震に繫がると言う研究も発表されている。
茨城県沖、房総沖、千葉県東方沖は東北地方太平洋沖地震でも動かなかった割れ残り(滑り残り)のある震源域があるのだ。だから心配になった。
しかし東北地方太平洋沖地震は北米プレートと太平洋プレートの境界域(日本海溝の内側)で発生したが、今回の房総半島沖スロー地震は、北米プレートとフィッリンピン海プレートの境界で起きているらしい。
プレートが違うからと言って安心は出来ない。
東京大・井出教授は「隣り合った領域の単純な連動地震ではなく、震源域は入れ子状態になっており、地震は足し算ではなく、かけ算で起きる。従来の常識にとらわれず、いろんなパターンを考えるべきだ」と主張する(朝日新聞2013.10.31)。
昨年10月に開催された日本地震学会でも世界のプレート境界での地震を洗い直す発表があり、静岡大の生田助教は過去111年の地震計の記録からエネルギーのたまりやすい場所を解析し、M9級の巨大地震を起こす恐れのあるのが日本近海も含めて17カ所あったと報告している(朝日新聞2013.10.31)。
地震の頻発している区域で要注意だ。
静岡大・生田助教解析 日本列島周辺のプレートのエネルギーのたまって 地震を起こしやすい域 朝日新聞 2013.10.31 |
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