日銀やリフレ派、一部エコノミストの狙っている物価上昇2%は、悪循環の経済でも良いと言うのか、その出口戦略をどう描いているのか。日銀の黒田総裁の2%物価目標達成時期がずれ込んでいるし、リフレ派の内閣官房参与の浜田さんは「2%に拘るな」と発言している。そして最近日銀の審議委員にリフレ派が登用された。
当初、「13~15年度の後半にかけて」2年程度での達成を掲げていた黒田総裁、岩田副総裁率いる日銀だったが、「15年度中で多少前後する」から「16年度にずれ込む」発言に変わってきた。
どういう理由が介在しようが、約束した目標達成が不可能になってきたのだから黒田、岩田両氏は潔く辞任すべきではないか。日銀の信用を維持するためにも2人は辞任し、外で2%目標達成に言及すれば良いのではないか。何を言っても責任はないのだから。
そもそも、何故2%だったのかが問題になる。
国会予算委員会で民主党・前原さんから質問されたとき、安倍総理は「2,3,4%といろんな意見が出ているが、一番達成しやすいと思われる2%を選んだ」と答え、前原さんに「その程度のことで特別に意味があったわけではないのだ」と批判されたことがある。前原さんは「今後も追求する」といって次の質問に移った。
その安倍さんに進言したという浜田さんが最近「無理に2%に持って行く必要はない。追加緩和は技術的に難しくなる可能性がある」と発言したそうだ。
何を言っているのか良くは分からないが、日銀が政府の赤字国債を引き受けること自体が財政ファイナンスと見なされ国債への信認が怪しくなっていることを危惧しているのか。
最近、欧州から「国債はリスク資産」として大量保有の金融機関の規制強化に向かっている。我が国でも大手金融機関、日銀は影響が大きい。
そしてFRBは量的緩和終了で金融政策の正常化を目指し利上げのタイミングを狙っている。これは、日銀の政策、日本経済にも大きく影響するはずだ。
諸々のことを勘案しての浜田さんは弱気になったのか。
そして日銀は15年度の物価上昇を0%台後半とみている。
原油安や個人消費の回復が遅れていることで物価が伸びないというのだが、16年度前半には上昇に転じるだろうとみている。30日に開かれる日銀の金融政策決定会合で追加緩和がされるかどうか注目だが、エコノミストの見方はまちまちだ。追加緩和すれば16年度前半には達成という見方もあれば追加緩和しなくても物価は上がってくるとも言う。
でも、追加緩和してジャブジャブ市場にカネを流しても設備投資に回って生産が上がり給料が上がるのではなく、株高などバブル経済の要因になるだけではないか。
円安がどうなるかも注目だ。今118~120円を行き来しているが円安は輸入品高を招き物価高につながる。経済の悪循環だが日銀、リフレ派はこれでも良いと考えているのか。FRBが利上げに踏み切ればドル高、円安で益々円安が進まないか。
さすがに日銀の金融政策決定会合でも量的緩和縮小案が民間委員から提案された。80兆円を追加緩和前の45兆円規模まで縮小したらどうかの発案だったが、1vs8で否決されたという。物価上昇2%に向け強気の日銀だがメンツの問題なのか。
ところで日銀は出口戦略のことを頭に置いて金融政策を進めているのか。国会の予算委員会で民主党議員から「出口戦略」を聞かれた安倍総理は「専門家の判断に任せている」という。2%物価目標を掲げながら出口戦略は知らないでは無責任甚だしい。
政府も最近は安保法制化で頭がいっぱいでアベノミクスへの言及も少なくなった。また、アベノミクスへの否定的発言には官邸が牽制するのでメデイアの発言は極端に減ってきた。メデイアが否定的発言をすると安倍政権への信任が落ちてくるのだ。
石破さんもアベノミクスで地方創生なんて言っているが、誰も本気で信用していない。地方では相変わらず「アベノミクス効果なし」なのだ。
日銀は2%達成時期を重視することから浜田さんの言うように「2%に拘らず」に頭を切り換えていく時期が来るのだろうか。
経済は予め実験が出来ない。だから失敗したら終わりだ。先々のことを丁寧に説明しながら国民経済を主導していくことが必要ではないのか。
期待感ばかり煽っている今の金融政策に疑問が残る。
期待感ばかり煽っている今の金融政策に疑問が残る。
経済の悪循環でも2%達成ごり押しに向かって欲しくない。黒田さん、岩田さんは責任を取って辞任すべきだ。
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