2015年4月30日木曜日

辺野古移設問題で憲法第95条:憲法学者曰く「憲法上はおかしいという確信を持て」と

憲法記念日が近ずくにあたり、何か憲法を考えるテーマがないかと注意していたら
辺野古移設問題は「憲法上おかしいという確信を持て」と憲法学者が警告しているニュースが目にとまった。30日のテレビ朝日モーニングバードの「基地移設問題で翁長知事が取ろうとしている戦術とは」で憲法95条(特別法の住民投票)が取り上げられ、首都大学東京准教授の木村草太さんが出演していた。

辺野古移設問題では沖縄と政府が対峙している。安倍総理は頑なに拒んでいた沖縄県知事との会談を訪米に当たりアリバイ作りで実施したが、新聞報道では日米会談で安倍総理は沖縄が反対している現状を説明し「辺野古移設が唯一の解決策の立場は揺るがない。沖縄の理解を得るべく対話を継続する」と説明したことに、翁長県知事は「多くの国民が反対する中で首相の頑なな固定観念が示されたことは残念だ」とコメントした。

5月下旬には独自に訪米し沖縄の考えを直に伝えたいようです。

沖縄県民の反対運動も激しくなってきた。先立つ28日はサンフランシスコ講和条約で日本から沖縄が切り離された日が1952年4月28日ということで「屈辱の日」とされ、県庁前に2500人もの県民が集まり「辺野古新基地ノ―」を訴えているテレビ映像が流れた。

モーニングバードでは基地反対の先頭に立っている翁長知事が今後どういう戦術がとれるかをいろんな角度から検証していた。

一つはロビー活動を活発にして沖縄の考えを米国に訴えるために基金を設立し1億円が集まった。その7割が本土からの募金だという。これで1回に付き1000万円ぐらいかかるロビー活動に使いたいという。担当の人も本土からの募金が多かったことに勇気づけられているようだった。

2つ目は県条例を次々に制定すれば国は法律を作って対応しなければならず時間稼ぎにはなるらしい。

3つ目が憲法に関することです。

憲法95条(特別法の住民投票)では、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は法律の定めるところによりその地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ国会がこれを制定することはできない」と規定されている。

つまり沖縄の辺野古に新しい基地を作るという法律を国会に提出しても沖縄県の住民投票で過半数の賛成が得られなければそういう法律は制定できないということだ。

中央政権の過度の介入を受けてはいけないという地方自治を守る規定なのだ。

だから参院予算委員会で野党議員が「辺野古基地設置法案」を議員提出する動きもあるが、我が国での法案提出は政府提出がほとんどで議員立法はまれだ。しかも弱小政党では共同提案者を確保することも難しいだろう。野党第1党の民主党も辺野古移設に同意していたが手続きがまずいというだけだ。

ところで今から法案を提出するのでは遅すぎる。しかも法案が通る可能性は低い。

では、今までどうなっていたのか。基地建設という重大な政策が法律に基づいていなかったのか。

日米安保条約で「駐留軍用地特別措置法」があり政府が「ここだ」と認定すれば基地ができることになっており、国民全体が基地の是非を論じる状況になっていなかったのだ。

条約と憲法とどちらが優位かということは論争点であるが、国家間の合意、政治的な内容のものが多いといえども憲法が優先すると考えるべきではないか。

でも、政府の考え方は、安倍総理の言う「既にある法令にのっとって粛々と進めているのでこれに上乗せして法律を作る必要はない」ということになる。

でも木村草太准教授が言うように「辺野古移設問題は憲法上おかしいという確信」をもたなければならない。この確信がなければ政府に負けてしまうというのだ。


安倍政権はやたら憲法を改正しようとするが、現憲法はいろんな面で私たちに考えさせられる日本の根本法なのだ。

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