2015年4月28日火曜日

どちらにしても危うくないか:安倍総理を支持か、否、政策を支持か

世論調査で安倍内閣支持率が高いが、安倍さんば総理だからと思っていたが、否、政策だからだそうだ。しかしどちらにしても危うくないか。国内は一強多弱で政党支持では自民党が37%と圧倒的に高く、野党は数%止まりだ。それでも自民党一党で我が儘な政策運営と映るのを警戒してか公明党と与党を組む。野党第一党の民主党は選挙の度にふるわず総括でも「底打ち」、「底なし」と二分する体たらくだ。

あれほど嫌悪感を抱いていたオバマ大統領が安倍総理と会見、上下両院での演説の機会を提供するほどの厚遇振りだ。背景には対中関係で日本と良好な関係を保っていた方が中国の勢力拡大抑制に役立つとみたのだろう。

内閣支持率が高いのは「総理が安倍さんだから」よりも「政策が他の政権よりマシだから」と言うことになるのだが、安倍総理自身にも良いところはある。対中、対韓でも関係を率先して改善しようという意識は高いが、決して怯まない姿勢は歓迎だが、中国、韓国は何故か襟を開こうとしない。

でも、ポスト安倍潰しは本人にとっては長期政権の礎にもなると思っているだろうが、自民党長期政権にとってはマイナスだ。秋の自民党総裁選に誰が、どういう格好で出てくるかが注目だ。

更に、メデイア牽制は絶対避けなければならない。「報道の自由」、国民の「知る権利」を否定することは民主政治の基盤が崩壊する。私も衆院選前のTBSテレビニュース23での安倍総理生出演を見ていたが、「アベノミクスの成果」として街角インタビューを流し「成果なし」の映像が多かったことに安倍総理が「偏っていないか」と猛反発し、聞いたこともないような指標を並べて改善していることを主張した。

選挙戦を前にアベノミクスへの批判は政権としては最も避けたいシーンだったのだ。キャスターが一言も反論しなかったことにも疑問を感じる。軽い気持ちで街頭インタビューを流したとするのであればメデイアの反省点も大きくないか。

ところが最近ドイツ紙にも牽制の動きがあった事に驚く。暴露した記者のドイツの本社に総領事が抗議に言ったという。総領事は「そういうことは言っていない」と反論するが、抗議に行ったことにも問題があるのだ。

安倍総理、取り巻き連中に自制の精神は全くない。余りにも幼稚すぎないか。見ていて恥ずかしくなる。

政策面はどうか。余りの国会無視に驚く。

今回の米国行きの目的の一つに日米ガイドラインの改定があるが、安保法制の国会審議の前に対米公約がされている。面倒な政策はまず国際公約し国内での審議に移す手を使っているとすると、民主党政権時と同じではないか。国際公約を御旗に「文句を言うな」と言うことだろう。

憲法改正も改正手続きをせず解釈改憲を閣議決定してしまうことで、まず憲法改正手続きの条件緩和から取り組もうとしている。日本国憲法は硬性憲法で改正が難しい。また厳密に読むと憲法改正は予定していない。

政権の座に着いていると外交上も自衛隊の制限は目の上のタンコブ的存在だ。「積極的平和主義」で国会の承認を前提に世界どこへでも自衛隊が派遣できるようにする。

普天間移設問題も辺野古移設工事で沖縄県と対峙している。翁長県知事と会った菅官房長官は会見場のホテルの勝手口から出て行くしかなかったと言うし、頑なに会見を拒んでいた安倍総理が訪米を前に仕方なく会見に臨んだ。

政府と沖縄が喧嘩している状況は米国にマイナスイメージを与えるとして改善を望んだのだろうが、平行線で解決の気配はない。

これから工事が進むにつれて流血騒ぎにでもなれば政権にとっては致命傷だ。岸元首相の時、日米安保条約でフィリッピンまで来て来日を待機していたアイゼンハワー元大統領だったが国会周辺での全学連の包囲デモに屈し来日を諦めた。岸政権は崩壊したのだ。

同じことが普天間移設問題で再現するかもしれない。

原発再稼働問題も難しい。経済成長を狙うのであれば安価な電力は捨てがたいが、地震大国、火山大国では著名な学者が警告するように国民の生命、財産を侵す結果にもなりかねない。福島第一原発の災害をどう考えるか、しっかり検証すべきではないか。

安倍総理はことある毎に「理解を得るために丁寧な説明」を主張するが、丁寧な説明を受けたことがない。

国民が何時危うい政権であると気づくのか。

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