メデイアよ 政権の圧力に屈せず距離を保て

メデイアよ　政権の圧力、牽制に屈することなく距離を保ちプライドを持て。今大事なのはメデイアがどう対応するかだ。自民党の情報通信戦略調査会がテレビ朝日とＮＨＫの経営陣を呼び番組について事情聴取すると言う。それに対して日本ジャーナリスト会議や「放送を語る会」が抗議文を発表した。

テレビ朝日やＮＨＫがどう対応するのか分からないが出席するのだろう。ＮＨＫの籾井会長は「政府が右と言うのを左と言うわけに行かないだろう」と言った人だし、テレビ朝日は放送法を盾に菅官房長官から脅され震え上がったと噂になっている。許認可権を持つ政府には逆らえないのだ。

報道ステーションでの古賀さんの圧力発言は「古館さんｖｓ古賀さん」のバトルと報じられているが「権力による報道の自由の抑圧」という論点が陰に霞んでいるとことを古賀さんは指摘する（官官愕愕　「テレビコメンテーターの種類」　週刊現代２０１５．４．２５）。

報道ステーションの古館さんは当初、政府筋の圧力に気骨のあるところを示していたが急に屈した感じだ。恐らく政権からの意を汲んでテレビ朝日が古館さんに圧力をかけたのだろう。容易に想像出来ることである。

古賀さんは政府の政策の裏側を官僚の経験から読み解いてくれた貴重なコメンテーターだった。そういう鋭い発言をする古賀さんの「I  am not Abe」は相当頭にきたのではないか。

古館さんの右往左往はみっともない。歯切れの良かった古館さんだったから余計に混乱している様子がうかがえる。

ＮＨＫもクローズアップ現代の番組の一部に「やらせ」があったとして大きな問題になっているが、クローズアップ現代よりニュースウォッチ９の大越ＭＣらが更迭されたことの方が問題ではないのか。ＮＨＫは通常の人事異動などと嘯いているが、原発再稼働発言などで政権が嫌ったことは予想できる。

今日、１７日の昼のニュースで自民党の情報通信戦略調査会の会議の模様が報じられた。川崎会長は「真実を曲げた可能性がある」と放送法に違反の可能性を調査するというのだ。

古賀発言の「菅官房長官からのバッシングがあった」ことの有無も問うのだろう。

 出席した幹部がどう答えるか。ＮＨＫは一部に「やらせ」があり今も調査中と言うだろうし、テレビ朝日は官邸からの圧力を否定するだろう。

思い出すのは更迭された前ＮＨＫ会長の松本さんが、「一番苦労したのは政権と距離を保つことだった」と記者会見で述べておられたのを思い出す。それに引き替え今のＮＨＫ会長は三流以下で言論界に在籍する価値は全くない人間に見える。

今、世界はグローバル化でメデイアは世界のニュースを流すが、ローカルである我が国での「言論の自由」「報道の自由」を犯されかねない事態に何の抵抗も出来ないとしたら世界のお笑い物ではないか。

メデイアよ、プライドを持て。