2016年4月22日金曜日

熊本地震(1):何故、震源の深さが約10kmと浅いのか、深いところは割れ残りか

2016年3月1日から31日 深さ30km以浅の
熊本県周辺の地震の断面図
熊本県の地震活動概況(2016.3)
熊本地方気象台 平成28年4月12日
熊本地震はどうして震源の深さが10kmと浅いのか、もっと深いところは割れ残りか。テレビが報じる地震情報はいつも「深さ約10km」とか「極浅い」という。浅ければ揺れは大きく今回の熊本地震の甚大な被害が明らかになるにつれ、どこから復興の手を付けるのか悩む。

何しろ余震が収束に向かわなければ手を付けられない状況ではないか。あの堅牢な清正流石垣といわれた熊本城の石垣崩壊を見ても揺れの大きさは想像出来る。

でも、どうして10kmと浅いのか。

熊本地方気象台の「熊本県の地震活動概況」(2016年3月)によると、3月に震度1以上を観測した地震は3月に6回、2月は3回だったという。その3月1日から31日までの震源深さの断面図を見ると深くても20kmに達せず概ね10kmだ。

熊本県内の地震が2月に3回、3月に6回だったのが4月に入って突発的に急増した。おまけにM6.5、震度7~7.3だ。本震と思っていた4月14日の震度7は前震で、本震は16日の震度7.3だという。従来だと余震は震度6クラスだが、今回はそうはいかない。

気象庁は「前例がない」と余震の予測を諦めた。さじを投げた感じだ。

新聞に地溝帯という文字が目についた。

調べてみると、今回の地震の発生地帯は「別府―島原地溝帯」という多くの活断層が重なった地域が震源になっている。だから一つの断層が動けば次々に断層が動き中央構造線断層帯につながっているのだ。

別府湾―日出生断層帯付近の過去の地震を検討した験震時報第72巻第1~4号によると、 断層帯は多くの細かい断層の集合体で、地下浅部も無数の弱線が存在し、今回の地震はこの弱線のいずれかが破壊しているとみている。地下水も関係しているのではないか。

納得がいく。震度7,7.3では堅く固着していた部分が外れ、全体のバランスが崩れ、あちこちが影響し合っているのだろう。そう考えると直ぐには余震も落ち着かないだろう。

でも現在のテレビの画面に「地震が発生しました。震源は熊本県熊本地方」という字幕が減ってきたようにも思える。収束に向かっているのか。

あるいは、収束に向かっていると見せて、もっと東で大きな地震が起きるのか。歴史は、そう語っている。

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