2016年4月19日火曜日

熊本地震の前兆は:現代地震学vsGPS

GPS測位から次に危ない地域
2016.4.18 テレビ朝日 モーニングショーより

今回の熊本地震は分からないことが多すぎるといわれているのだから「前兆など分かるはずがない」と思っていたが、GPS測定値で付近の地殻の隆起、沈降を捉えていたとすると今後の地震予測にGPSは強力な武器になるのではないか。

地震の発生メカニズムがはっきり分かっていないのだから予知など無理だとする考えがある一方で、学問の進歩のためには予知技術の開発は重要だという考えもある。

大きな地震が発生し、被害が甚大だった地震も、後の検証で「兆候はあった」とする研究報告を目にする事がある。

では、どうしてそういう項目を絞って平素から徹底的に追求しないのか。

今言われているのは、地殻変動のためのGPS測位、スロースリップ現象の追跡だ。どちらも巨大地震の前兆と見られるのだ。

3.11東北地方太平洋沖地震を検証していた研究者が、発生前にスロースリップが北海道から始まり、下に下って止まったところが巨大地震の震源域だったと報告している。

又、スロースリップ現象が止まって地震の発生が危惧されているところに浜名湖付近がある。ここで巨大地震が発生すると交通の大動脈が破壊されることになるので被害は甚大だ。

一方、GPSでは測位学の村井先生がMEGA地震予測の「異常変動全国MAP16」で九州南部、熊本、鹿児島に従来にはない顕著な沈降現象が見られ注意を喚起していた(週刊ポスト)。

地殻の歪みをチェックし、エネルギーの蓄積を予測できるのだから地震予知には利用できる。

更に、18日のテレビ朝日 モーニングショーで「GPS調査が捉えた地震の前兆と震源移動」をテーマに検証していた。

それによると、四国の愛媛県、琵琶湖周辺、島根県に警戒すべき地殻変動があるというのだ。日向灘付近では1967年M7.5、1996年M6.9,1961年M7が発生しているが、南海トラフ巨大地震への影響も心配されている(SAPIO 2014.4)。

琵琶湖周辺では1317年京都地震M7,1185年京都地震M7.4,1662年には琵琶湖西岸地震M7.6の発生が分かっている(同上)。

島根、鳥取付近では1872年浜田地震M7.1,1978年島根県中部地震M6.1,1989年鳥取県西部地震M5.3,最近では2000年鳥取県西部地震M7.3がある(同上)。

現代地震学では解明できなくても地震考古学では繰り返し発生していることが分かるのだ。

スーパーコンピューターを使った地震考古学、GPS、スロースリップの追跡で何とか前兆らしき物を捉えることが出来ないのか。

今回の熊本地震の被害を見ていると重要拠点になる市役所や病院に地震対策が出来ておらず、防災意識が低かったことが分かる。勿論M6.5,震度7以上では防災対策も一段上が必要だ。

GPS 岡山ブルーハイウェイ 休憩所にて


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