誰が言いはじめたか知らないが、ほとんどの医者、医療関係者がLDLコレステロールを悪玉コレステロールと呼ぶが、その本当の正体は何なのか。細胞膜、神経、ホルモンの必要不可欠な材料であるし、高い値は心筋梗塞などのリスクが高いと言うが、寧ろ低い値の方が危険ともいう。
コレステロールの基準値では米国や日本人間ドック学会が発表した値と現行の判断基準値との違いが大きく、検診を受ける国民を惑わす結果になっている。
我が国の基準としては、60~119mg/dlがあるが、何故か分析機関によって正常値の範囲が70~139,50~139と少し違うが、上限は同じだ。
ところが、米国は、LDLコレステロールを下げても心筋梗塞などの疾患を治療、改善させる根拠はないと基準値を撤廃したそうだ。
又、食事によってコントロールは出来ないとも言う。体内で80%が作られ、食事は20%が寄与するらしい。
一方、 日本人間ドック学会、健康保険組合連合会が2014年4月に統一的な健康の基準を発表した。超健康な人の95%が入る検査結果だと言う。
それによると、LDLコレステロール値は男が72~178mg/dl、女性が(61~84)mg/dl~(152~190)mg/dlで年代によって差がある。現在の基準値が60~119mg/dlだとすると治療の必要でない人に高脂血薬を投与していることになる。
ところが従来の基準値を遵守する専門医は、高いと心臓病、脳卒中の原因になり、今は健康でも数値の高い人が10年後にも健康であるとは限らないと反論する。誤解を与え、国民の健康に悪影響だというのだ。
一方で、東海大学の大櫛先生は、低い方がリスクが高いと警告する。
疫学者や薬学者、栄養学者などで構成される日本脂質栄養学会は、コレステロール値が高い群ほど癌や脳卒中、全死因による死亡率が低いと指摘する(週刊ポスト)。コレステロール値は高い方が低い方よりリスクが低いと言う主張は理解出来る。
だからかどうかは分からないがコレステロールについては、別に判断基準がある。
現行のLDLコレステロール値上限の119mg/dl内であってもLDL/HDLが2未満であれば問題ないが、2.5を越えるとリスクが高まると注意を促している。では、上限値の119mg/dlを超えても2未満であれば問題ないのか。
又、最近新しい管理指標が示された。
nonHDL―Cだ。これはTC―HDLの値でLDL+30未満かどうかが管理目標値だというのだ。私に場合、TC:271mg/dl、HDL-C:74mg/dl、LDL―C:172mg/dlでも管理目標値内(202)におさまる。
LDL―Cが現行基準値ではオーバーしているが、日本人間ドック学会の基準では178mg/dlはギリギリだがクリアーしている。
もう10年も高脂血薬を服用していたが4ヶ月前に止めた。服用するきっかけになったのは、地方の基幹病院の人間ドック健診で肺に影が映り内科に回されCTを撮った。結果は異常なしだったが健診結果に総コレステロールが220mg/dlを越えていたので処方され今までつづいていたのだ。専門は呼吸器系の先生だった。
薬の服用を止めて4ヶ月、別の要件で医者に行き血液検査も実施することになった。その結果、LDL―Cが172mg/dlだった。このまま高脂血薬の服用を止めて、7月の東京都の健診で人間ドック学会の会員の医療機関で受診してみようと思う。
ところで、どうしてLDL-Cが悪玉コレステロールと言われ出したのか。
東海大学の大櫛先生によると、1913年にロシアで行われた実験で、ウサギに脂肪の多い動物性の餌を与えて血管壁にコレステロールが付着することを確かめた結果だという。この実験結果が生理学と臨床医学との対立をもたらすことになったというのだ(週刊ポスト)。
これに収益の大きい新しい高脂血薬を開発した製薬会社の思惑もあって必要ない人まで高脂血薬を服用させるようになったのだ。
基準値をオーバーすれば即投薬と判断する医者が多いが、経過観察で様子を見る事も大事ではないか。管理値の説明が出来ない内科医が多すぎる。これでは医療費が毎年上がっていくのも無理はない。
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