2018年8月14日火曜日

自民総裁選で憲法改正が争点:今までの争点隠し、民意の低い優先順位が何故


自民党総裁選で安倍さんは憲法改正を争点にすると言うが、今までの国政選挙では争点を隠し、野党が争点にするも自民党は無視、自民党が圧勝すると選挙後憲法改正を大上段にかかげる。野党が争点になっていなかったというと自民党公約に掲げたと弁明するが、よく見ると公約の最後に簡単に掲げていた。

しかし今回、自民党総裁選ではあるが、石破さんと論争する腹を固めたようだが果たしてどうなるか。政党支持率は30%を超える断トツであるが、内閣支持率は40%台後半、決して支持されているわけではない。

そもそも安倍さんが憲法改正を急ぐ訳は岸元総理以来の自民党の党是であり、自分の手でやり遂げたいという強い意志がある。しかも現在の国会の勢力図を見ると衆参で発議出来る2/3の議席を満たしているが来年の参院選での結果では恐らく発議条件はみたさないだろう。だから今が改正発議のチャンスなのだ。

ただ願っていた衆院憲法審査会では野党の反対で「自由討議」も出来ず国会審議を進めるには総理自ら提案していく手段に出たのだろう。立法府との関係もあるが行政府が主導と言うことか。

改正案は自民党の改正草案といっても党内でまとまっているわけではない。大きな論争点は2012年の党改正草案との関係で安倍案と石破案は異にしている。

大きな相違点は安倍案では92項を維持したまま「9条の2」で自衛隊を明記することだが、石破案は2012年の党改正草案の通り92項は削除する案だ。安倍さんは現行憲法解釈を変えないが、石破さんは「何も変わらないのであれば改正すべきだとは思わない」と正当論をぶっつける。

92項をそのままにしていると違憲論は払拭出来ないというのだ。自民党内でも2項削除を理想とみる議員は多い。

永田町自民の7割の皆さんは憲法改正に全員賛成なのか。地元支持者の民意を受けているのか。

今まで憲法改正について出ている意見にどう答えるのか。
国民を二分する憲法改正を自民vs野党の構図で自民の勝ちというかたちを取って良いのか(政党支持率は自民30%超、野党0~10%台)。

安倍さんが言う短期間に素人が作成した「押しつけ憲法」への正しい判断は?

国民の中にある「安倍政権では憲法改正は許さない」に自民党はどう答えるか。

戦争反対、戦争経験者の「戦争で本当の勝利者はいない」、引き揚げ船上で見せられた新しい憲法に涙した経験談にどう答えるか。

既に一線を離れた自民党長老の人たちの意見をどう反映するのか。

そして、今までの自民党政権の「憲法改正の争点隠し」をどう評価するのか。

安倍さんが国民に問われなければならない問題が沢山ある。国会での審議も滞っている現状で、しかも民意の優先順位も低い憲法改正を急ぐ理由は何処にもない。

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