約束草案を提出した全ての国が約束したとしても 2℃目標達成は満たない 第2章 パリ協定を踏まえて加速する気候変動対策 環境省より |
地球温暖化問題も「不可逆な道」を歩むのか、「パリ協定」で削減目標達成しても「うだる暑さとそびえ立つ海面」が今後も続くのか。そんな事を警告するレポートが目立ってきた。各分野の専門家が集まって原因を検証する作業もそこそこに「政治目的」になった地球温暖化問題は、人間の輩出するCO2など原因物質を自然システムがどう吸収できるか、バランスの問題なのだ。
「「パリ協定」で地球温暖化は止まらない」、エネルギー問題は経済問題だとする国際エネルギー機関(IEA)の統計(2018.4.6JBpress)、「地球温暖化で「ホットハウス・アース」の危険性、CO2削減でも」(2018.8.7ストックフォルム大学ストックフォルム・レジリエンス・センター、読売新聞2018.8.17)が発表されている。
ここで地球温暖化要因に異論を唱えるアラスカ大名誉教授の赤祖父先生の「自然変動説」に耳を傾けてみたらどうか。
IEAは3月に統計を発表、2017年度のCO2排出量は前年比1.4%増の325億トンで、景気の回復、発展途上国の経済成長で増加、パリ協定の「温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質0にしても産業革命以降の気温上昇を2℃未満に抑える目標」は不可能と断じている。
パリ協定も実現は難しいとみている。
1890年に較べると0.8℃、産業革命を1800年頃とすると既に約1.3℃上昇している。これを2℃未満に抑えるには後、0.7℃しかない。このために2050年にCO2排出量を80%削減すると言うのがパリ協定の目標だ。
日本も2030年に2013年比で26%削減を掲げているが達成には原発稼働問題がある。見通しが付かない。
ストックフォルム大の「地球温暖化で「ホットアース」の危険性」も注目すべきだ。
今後、数百年にわたって「うだるような暑さと海面がそびえ立つほど上昇する」事態に地球は向かっている。その境界を越えるのももうすぐだと警告する。
その危険な状態から人間を守っているのは森林や北極の海氷、海底のメタンハイドレートなど(フィードバック・プロセスという)だが今は最悪の事態から逃れる手助けをしてくれている。
同報告は気温が産業革命以前に較べ4~5度高い水準で安定しているがあらゆる氷が溶け出すと海面は10~60m上昇し、地球の一部では人が住めなくなると言うのだ。
この報告の言いたいことは、気温が2℃以上高くなると、今は気温上昇を防止してくれている自然システムが大量の炭素発生源へと変わり、4~5℃高い気温になると「不可逆な道」を歩み始めると警告していることだ。
そこで以前から知っているアラスカ大名誉教授の赤祖父先生の「自然変動」説をその著書「正しく知る地球温暖化 誠文堂新光社 2008.7」で読み返してみた。
「CO2など温暖化物質の削減を計画しても気温上昇は止まらない」と言う事はCO2為説に無理があるのではないか。赤祖父先生の主張するように自然変動説が有利なのではないかと考える。勿論、先生も地球温暖化要因はCO2が1/6、自然変動が5/6寄与していると見ているのだ。
全てをCO2人為説に頼っていては説明の付きにくい現象が多いという。
先生の説によると、今地球は「間氷河期」にあると言う。15000年前に間氷期が始まり10000年頃ピークを迎え、1400~1800年頃気温が低下、今は地球の回復期にあるというのだ。勿論太陽の活動も考慮されているだろう。
10000年前には今の気温より激しく変動、数千年の間に現在よりも暖かい期間が数回あったと言うのだ。
今は、小氷河期からの回復過程で自然変動に則っているのだ。
地球温暖化で指摘されている自然の異常現象もCO2が急増していない以前から始まっていたという。
氷河の後退は1800年頃、海面上昇は1850年頃、ところが1950年頃上昇率が減少しているという。北極海の海氷面積の減少も北大西洋の暖かい海水が北極海に流入しているのが原因なのだ。
又、温暖化に影響を与える要因として水蒸気が95%で雲の影響も大きい。
更にCO2増加と気温上昇の関係だ。どちらが先行しているか。気温が800~1300年先行している。気温が上昇したからCO2が増加したと見られるのだ。
先生は地球シミュレーターによるシミュレーションは実態に合っていないのではないかと疑問を呈していた。
今、ここ十年以上、CO2排出量は増え続けているのに世界の平均気温の上昇が緩やかな現象が起きている。原因は深海700mの層で海水温があがっているのだ。ハイエイタスというらしい。こういった現象も地球シミュレーションでは現れない。
私が現役の時、地球温暖化対策でCO2削減策の検討を行ったことがあるがある部門の責任者が「もう人を減らすしかない」と冗談を言っていたが、人間活動が影響する分野だけに対策も大変だ。
地球温暖化対策会議も先進国と発展途上国の経済支援、カネのぶんどり合戦が主役になっている。自然変動説にすればすんなり片付く問題ではないか。
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