読売新聞 2018.8.10 「デフレ日本 欧米が後追い」 |
何故、物価は上がらないのか。デフレ脱却は各政権の念願だったが達成出来ていない。民主党政権時の菅総理(当時)も検討したがデフレ脱却宣言は止めたことを覚えている。
一方で、「今、デフレなのか」、「デフレは悪いのか」と専門家は指摘する。確かにデフレ状態ではないが、これが日本経済の姿と考えた方がいいのかも知れない。国内需要は縮小、物価は安いことに尽きるのだ。
読売新聞(2018.8.10)「デフレ日本 欧米が後追い」によると、ポルトガルの観光地シンドラで中央銀行のトップ、エコノミストが集まって「景気回復が賃金を通じてどのように物価上昇に結びつくか」で議論したそうだ。
それによると、アメリカでは労働組合の弱体化、労働者は賃上げより安定性を望んでいると指摘しているが、日本だって同じ傾向ではないか。連合の存在も希薄になっている。非正規労働が多い中で正規労働を望む者も多い。
ECBのドラギ総裁は「様々な理由が有り解明が難しい」と言えばFRBのパウエル議長は「物価の動きが景気回復に十分反映しているか評価が難しい」という。
そんな事ぐらい誰だって分かっている。
アベノミクスもそうだが、好景気→消費が伸び→価格上昇→賃金上昇のパターンを描いていた。日本はなかなか物価が上がらない。0.7%程度だがアメリカは3%、ユーロは2.1%と差がありすぎる。
物価が上がらないと異次元の緩和政策も継続しなければならないために安倍総理は賃上げして物価を上げようと経済界に3%以上の賃上げを要求するが実体は2%台のようだ。
新聞の報道を見ると食品の値上がりが日本は0.4,ユーロ2.4,アメリカ1.4で日本は低い。そうだろう、コンビニ、スーパーなど流通業界は挙って値下げしている。値下げしないと客が来ないのだそうだ。
グローバリゼーションで日本国内の企業も東南アジア諸国の労働者の賃金と競争しなければならない。東南アジアは工業化が進み農村から都会へ人が動き労賃も安い。そういう国と競争する必要があるから賃上げも躊躇する。
だから今、日本の企業の業績も好調だが労働者の犠牲の上に成り立っている。景気は良いが人件費を上げない。市場にジャブジャブカネを流すので企業は内部留保に努める。
家計への再分配のシステムが出来ていない。大企業、富裕層の優遇税制を見直し低所得者への分配も考えなければならないが法人税下げなど企業優先だ。
人口減、高齢化で市場は細るばかりで海外市場頼みだがこれが経済摩擦の原因になる。専門家は国内需要の喚起を言うが、経営者は「需要があれば借金してでも投資する」という。
確かに欧米中央銀行のトップが言うようにいろんな事が関連し物価の上昇はうまく行かない。
でも金融政策の正常化のため2%物価目標未達でも緩和縮小に欧米は向かっているが、日銀は一人異次元緩和を強化するという。
吉と出るか、凶と出るか。失政の犠牲になるのはいつも国民だ。
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