2018年10月29日月曜日

読売新聞世論調査を読む:「他の内閣よりマシ」(19%)だが、「信用できない」(18.5%)か


読売新聞(2018.10.29)の世論調査を見て考えた。「首相は信用できない」(18.5%)が「他の内閣よりマシ」(19%)と言うのだ。内閣支持率も「支持する」49%と「支持しない」41%と拮抗している(?)。内政、外交を考えると今後5年間の政局運営も厳しい。外交で海外を飛び回っている暇などない。

計算根拠を示そう。内閣支持49%のうち「首相が信用できる」は10%で安倍首相を信頼しているのは全体の4.9%、一方内閣不支持の41%のうち「首相が信頼できない」は45%で信用できないが全体の18.5%になるのだ。内閣支持49%のうち「他の内閣よりマシ」と答えた人が39%だから全体としては19%になる。

こういう計算をすると
                          %
設    問
期待できる
期待できない
政策に期待できる
7.4
9.0
首相に指導力がある
 5.0
 2.0
首相が信頼できる
4.9
18.5
閣僚の顔ぶれ
0.5
3.7
自民党中心の政権だから
9.3
5.7

政策に関して期待されていないのは突如強調しだした憲法改正、社会保障制度、少子化、高齢化対策、消費税増税そしてアベノミクスの成果が見えてこないことが影響しているのか。

憲法改正では自衛隊明記で賛否拮抗するが、改正案を今国会に提出することには反対が多い。やはり「急がず」と言うことか。災害が続き、自衛隊の救援活動がテレビ画面に映る機会が多くなった。その姿を見て国民も自衛隊を評価しているのではないか。

消費税増税の景気への悪い影響に関しては、大いに感じる(26%)、多少感じる(53%)で「全く感じない」がたったの3%を考えると買い物の前倒し、や米中貿易戦争の行方、バブルの崩壊など心配は尽きない。
指導力では、今まで強引に引っ張る政治手法を「指導力あり」としたのは5%、
憲法改正では安倍総理の強引なやり方にお友達で構成しなおした自民党推進本部が推し進めようとしている。

今まで民意に背く政局運営をやってきたが、その反省(?)で今回の所信表明は原敬元首相を引っ張り出して「民意」を重視する姿勢を打ち出したが、信用する国民は少ない。

自らの重大な不祥事でもある「モリカケ」問題での安倍総理の説明を80%の国民が納得していない。

そして先の自民党総裁選ではあらゆる手を使って石破陣営に圧力をかけたし、政策討論を避けるために逃げ回った姿を見せつけられた。

安倍総理は「信用できない」が、「他の内閣よりマシ」と言う消極論での内閣支持なのだ。

内閣の顔ぶれも「良い」0.5%、「良くない」3.7%、案の定、新任大臣の失言、尽きない政治とカネ、そして片山大臣の「口利き疑惑」は野党の総攻撃を受けるだろう。野党の厳しい質問に「公判が予定されているために答弁を差し控えたい」と供述拒否のために文春を告訴した。弁護士にはあの敏腕弁護士を付けてけん制したのだろう。

長期政権になると世論調査結果もマンネリになる。おまけに3年と言う期間限定内閣だ。今まで忖度していた官僚も正気を取り戻せば安倍総理にとっては不利な局面も出てくるだろう。


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