何だったのか、インドネシア・バリ島でのG20財務相、中央銀行総裁会議、米中2大国の対立で本来の役割、調整機能を失い、議長記者会見では「G20は議論の場であり解決は2国間で」とトランプ大統領の保護主義を屈服した感じだ。
IMFのラガルト専務理事は「緊張緩和」を訴えるし、麻生財務相も「多国間での解決」を訴えた。
確かに今回のG20は米中貿易摩擦、新興国通貨安、世界同時株安、米国の政策金利引き上げ、長期金利上昇で米国に資金が流れる動きが顕在化した。
要因は米中対立にあるが、今回のG20で米国、中国はどういうスタンスを取ったのか。朝日新聞では2国の発言が出ていなかったが、読売新聞で報じた公式声明で知ることが出来た。
それによると、ムニューシン米財務長官は「米国と世界の均衡した成長を妨げる貿易制限に立ち向かう」と知的財産権の侵害などを念頭に置いている声明だし、中国の人民銀行総裁の易綱総裁は「保護主義は世界的なサプライチェーンを混乱させ成長を圧迫しかねない」と従来の考えを繰り返した。
会議では米国と他国との「するどい対立はなかった」ようだ。NAFTA,FTA等で合意しているので他国が米国を黙認した格好になっていると新聞は報じた。
こんな事だから、G20の多国間で解決策を云々することは不可能で、米中で解決するしかない。新聞報道では9月の貿易統計で中国の対米黒字341億ドルで過去最大だという。米国は薬2500億ドル相当の中国製品に関税を引き上げた。
G20各国共にG20サミットでのトランプ大統領、習主席の対応次第とみているのか。
共同声明も発せられなかった。先の会議から日数が経っていないことを理由にしているが開催国のインドネシア、議長国のアルゼンチンにとっても不甲斐ない結果だったと思う。
中国は金融緩和策の発表もあって人民元が下落、中国の輸出を促進し、米国の赤字は拡大する。米中関税貿易戦争は泥沼状態だ。勝敗の決着が付くまで徹底してやれば良いが、世界経済への悪循環だけは避けるべきだ。
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