2018年10月15日月曜日

必ず来る南海トラフ巨大地震:もし「臨時地震情報」が発せられたらどうする?

南海トラフ地震に関する情報の種類と発表条件
気象庁HPより

必ず起きるといわれている南海トラフ巨大地震だが、その観測結果に異常が認められると「臨時地震」情報が発せられるが万一発せられた時私たちはどう行動するか。

東海、東南海、南海地震の3連動と言われていたが今や4~5連動、広がる震源域は内陸部にも迫り、襲いかかる津波高さ30m超と増すばかりの南海トラフ巨大地震、海溝型巨大地震の前に発生するといわれている内陸型地震、いろんな情報はあるが震源域付近で発生した地震でも気象庁は巨大地震との関連に沈黙だ。

でも専門家は過去20年以内にすでに5回臨時地震情報を流す事態が発生していたというのだ(「南海トラフ地震臨時情報を検証」TBSテレビ報道特集 2018.10.13)。

それによると1996年 日向灘地震、2000~2005年浜名湖スロースリップ、2004年紀伊半島地震、2009年駿河湾地震、2016年紀伊半島地震を上げている。

スロースリップ現象は昔は大きく揺れることなしに地震が発生し、「ひずみ」を解消しているのだから歓迎されていたが、3.11東北地方太平洋沖地震の発生震源域が北の方からスロースリップが南下し、止まったところが震源域になったことから重要視されるようになった。

浜名湖のスロースリップ現象は有名で巨大地震の発生が注目されているところだ。物流、交通網の要所でいったん発生すると日本経済への打撃は大きい。でも発生に兆候はなさそうだ。

さらに報道では、研究者の証言として池のハスが挙げられている。一度津波でやられると池全体にハスが戻るのは100~150年ぐらいかかるそうだ。そうすると前回の地震津波から考えると10~30年しか残されているという。

高知大の研究者が池の低質のボーリング結果から150年前の安政地震、300年前の宝永地震、650年前の正平地震、そして1350年前の天武地震で砂の層が見られ巨大な地震、津波が発生したことがわかるという。
ところが2000年前に宝永の2倍ぐらいの砂の層が見つかったのだ。研究者は「必ず起きる」と言い切った。

現状は切迫しているのだが、気象庁のHPから「南海地震に関する情報の種類と発表条件」(2017.10.26)を開いてみた。

「ひずみ計」設置場所
気象庁HPより
南海トラフ全域を対象に地震発生の可能性が高まれば発せられるらしい。「臨時情報」と「定例情報」の2種類がある。臨時情報については、「ひずみ計」に異常現象が見つかり調査開始したか、継続している場合、可能性が平常時に比べ可能性が高まった場合、可能性が相対的に高まったと評価された場合あるいは高まった状態ではない場合が条件に挙げられている。

対象規模はM7以上、あるいはM6以上でその他の異常な変化が見られる場合だ。ただし注意として突発的に発生することがあるとも言う。

今、気象庁のHPでは定例情報が流されている(2018.10.05)。

私も少なからず地震災害には注目しているので資料を集めている。日本中どこで巨大地震が発生しても不思議ではない状況だから当然だ。特に首都直下、相模トラフ、南海トラフ地震は要注意なのだ。

南海トラフ地震の想定震源域
気象庁HPより
南海トラフ巨大地震が「いつ」と聞かれれば「早くて2030年代中頃、あるいは200年先」、「どこで」と聞かれれば「南海地震震源域、あるいは南海トラフ沿いに3~5連動」、「規模は」と聞かれると「M9クラス」ということか。

2030年代中頃、南海地震の可能性があることを指摘されているのは京大の鎌田先生だ(2012.9.23サンデー毎日)。高知県室津港の地盤の隆起量の調査を長い間魚師が観察記録していた結果から1946年のリバウンドから次に発生する時期は2035年ごろと指摘している。

一方、まだ200年先だと指摘しているのが東大地震研の瀬野先生だ。南海トラフ沿いで発生した地震を整理し検討した結果、2つのタイプに分類できるという。この2つは350年周期と400年周期に分かれ、次に発生するのは200~300年先だという(「地震」第2揖 64巻第2号 2012.1)。

南海トラフ巨大地震はどこが発生源になるかわからないが30年以内に70~80%の確率だ。しかもM9クラス。襲い来る津波は高いところで33m、海沿いは平たん地に住宅が密集している。30mを超えると町全体が沈没だ。広域巨大地震、津波災害は未経験の出来事だ。対応を間違えると政府もぶっ飛ぶだろう。

「忘れたるころ来る」、否「油断した頃くる」のだ。大事な事は「3~5日間で何をするか」という情報を流すことらしい。外れても「よし」とすることだ。

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