朝日新聞 2018.10.10 |
龍馬ゆかりという舟旅籠の寺田屋は、本物でない再建された史跡とはいえ、歴史のロマンで根強い人気があるのだろう。朝日新聞(2018.10.10)の文化文芸「「龍馬ゆかり」何処まで本当か?」を読んで思いだした。私もかなり前の夏に家族と京都旅行の際に訪れた。
現建物は再建されたものと言うことは分かっていたが、当時の新聞で経営難のため経営者が廃業するかも知れないという新聞記事を見たのだ。大学生の時は京都に住んで見向きもしなかったが見学に行く気になったのだ。
確か「竜馬の寺田屋」と書いた提灯が玄関咳に掲げられ、建物自体は歴史を感じる佇まいだった。道路を隔て川があり、当時の船宿としての存在が分かる。
再建したとはいえ、史跡だと言われても不思議ではない。
この宿での龍馬襲撃事件は余りにも有名だ。薩長和解後に寺田屋に投宿していた竜馬を伏見奉行の捕り手で囲んだとき、「お龍」が危険を察知し裸で風呂から飛び出し会談を駆け上り竜馬を逃がした舞台にもなった。
その風呂が今もあるが、何か胡散臭い置き方だったのを覚えている。急な階段はある。
2階の柱に刀で切りつけた傷跡が説明付きで残っていたが、狭い廊下、狭い部屋で本当に斬り合いをやったとは思えなかったが、女性従業員が指さして説明していたのを覚えている。
京都市の調査で再建されたものという報告がなされたらしいが、その新聞の記事が玄関を入ってすぐの所に掲示されていた。一抹の良心の表れか。
更に再建されたことは右手の庭園奥の「薩摩志士の碑」が立っておりこの文章の中に「寺田屋の跡」と言う記述が見つかる。素人でも読める。
その時は昼間は史跡として見学者を受け付け、夜は旅館となるらしい。1泊大人で確か6000円程だったと思う。
旅行ガイドブックを開いて確認している女性見学者もいた。明らかに再建されたことが分かっていても史跡としても面影はある。「ウソ」と本物」が入り交じった不思議な歴史の空間だった。
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