2018年10月7日日曜日

国会ペーパーレス化:その前にペーパー棒読みの「やらせ国会」を止めさせろ


国会のペーパーレス化が話題になっている。経費削減、審議の効率化を謳っているが問題はペーパー棒読みでないと耐えられない大臣による「やらせ国会審議」ではないか。

国会審議などで必要な議案、会議録などで作成する紙の資料をペーパーレス化すれば年間12億円の費用削減、法案審議の効率化が出来るという。ペーパーレス化でタブレット端末などが必要になるのでその調査費に700万円の予算が計上されているという。

問題は議案などの文書をなくすには規則の改正が必要だし、一部を削減してもどうしても文書化が必要なものがあれば2重になり国会職員の仕事も複雑になると指摘されているが当然だろう。

国会のペーパーレス化には大きな課題があると思う。特に各委員会の審議を見ていれば分かる。NHKの国会中継を見ると質問者はフリップを用意し視聴者に質問内容が分かるように提示している。

ところが担当大臣は官僚が作成した答弁書を棒読みしているのだ。聞いていてどんな内容の答弁をやっているのかわかりづらい。早口で読み上げられると全くダメだ。

その裏側を見ると、担当官僚は質問者の質問事項を聞き取りに走り回る。これを「廊下トンビ」と言うらしい。質問事項が分かると役所に帰って担当部門が標準回答案を作成し、上司、担当大臣と繰り返し見直しし、審議日の翌朝に最終案を大臣に示しレクチャーするらしい。

だから官僚の残業、深夜、早朝の仕事が増える。官僚にとっても迷惑な話だ。質問締め切りまでに提出されれば良いようなものだが質問締め切りを越えても提出しない議員もいる。

ひどい議員になると質問事項まで官僚に作成させるらしい。

一方、大臣の答弁も本人は余り理解出来ていないのだろう。早口で喋り早く終わらないかと気をもんでいるのがよく分かる。質問が続くと後ろに待機している若い官僚がペーパーをめくりながら耳打ちする。

かって、年配の女性法務大臣は何も分かっておらず、「何分素人なもんで」が口癖で委員会も了解済みだ。男性防衛大臣はペーパーの何処を答弁すれば良いのかも分かっておらず答弁大臣席の一番後ろに座り、その後ろで防衛省の官僚がつきっきりで対応していた例もある。

質問者にも問題がある。関連質問でドンドン追求を続ければ良いものを時間がないので「次の質問に行きます」と質問を切り上げる。大臣はそこまで持ちこたえれば良いのだ。

又、各党の質問者が同じ質問をする。だから「先程も答えたように・・」と前置きがされ、答弁はコピーされているのだろう。

質問事項になかった質問に対しては「予め申請されていなかった質問なので・・・」というのもあった。安倍総理はそう言いながらも自説を述べたことがある。

面白いことに安倍さんも麻生さんも漢字が読めないらしい。「・・伝伝・・」、「未曾有」を読み間違っていたが、今では大きなルビが振ってあるのがよく分かる。

昼間から情報番組に浸るのも良いが、NHKの国会中継を見て欲しいものだ。国会審議とはこの程度のものかと言うことが分かる。

ペーパーレス化をやるのであれば国会での委員会審議をインターネット化し、質問を受け、担当官僚が回答する。必要に応じて担当大臣が政府の考えを代表する。期日が来ればネット審議を止め、国会での委員会審議に移す。そして採決すれば良いのではないか。関連する無駄金を使うこともないだろう。

国会議員も職業化せず、選挙人名簿から年代別に人口構成に準じ選び出し夜間、休日に国会を開く時間給にすれば良いじゃないか。国会議員にかかる大きな無駄金を削減出来る。

それでも民意をどう汲み上げるか。困ることはない。各メデイアが世論調査をやっているのではないか。この方が民意がよく分かる。

今、安倍さんは政策の大上段に憲法改正を上げているが、メデイアの調査では期待する政策の最下位に位置している。好転している経済や雇用に話を振られて争点隠しに乗ってはいけないのだ。

国会ペーパーレス化はなかなか難しい。私が現役時代も企業内でペーパーレス化は課題に挙がっていたがなかなか進まない。年配管理職が反対したのだ。今はどうか。タブレット端末をスクロールしながら仕事が出来るのか。

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2014.3.24掲載
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