格差社会の拡大で国民の不満が高まり危機感を持った政府が格差是正、再分配に米国、中国が動き出した。日本でも今最中である自民党総裁選で主要候補者が言及している。
格差是正と再分配は日米中の主要政治課題になってきたが、すんなりとは行きそうにない感じもする。
米国流の経済を世界に撒き散らしたグローバリゼーション、リーマンショック後の業的緩和政策で市場にカネをばら撒いた結果、バブル経済の到来で格差拡大、期待していたトリクルダウンは望み無く、各国政府は税制、体制の見直しで対応しなければならなくなった。
今、自民党総裁選の最中だが、河野さんは「労働分配率」で一定水準の成果があった企業に減税し、賃金アップを目指すと言うし、岸田さんは企業の利益が株主に還元されるばかりでなく、給与に振り向けるように税制優遇を考えると言う。「令和の所得倍増論」を打っている。
日本は今に始まったことではない。世界中から外需ではなく、内需の拡大を要請されたとき、中曽根内閣で前川レポート、福田内閣の時に21世紀版前川レポートで内需拡大の提言があったがすべて失敗した。
失敗の要因に専門家は「企業の儲けを再分配」するシステムが構築されていなかったことと指摘していた。いわゆるトリクルダウンは期待できなかったのだ
安倍政権でのアベノミクスも格差拡大、コロナ災害で顕著になってきた。河野、岸田さんはそれを是正するために税制の見直しに踏み込んだのだ。
一方、米国のバイデン大統領も共和党、トランプ大統領の「小さな政府」から「大きな政府」へ。格差是正のために企業、富裕層への増税を目論んでいる。
体制が違う中国の大変だ。発展の原動力なった「社会主義市場経済」も変質しそうな「共同富裕」政策で格差を地締め社会全体が豊かになることを目指して税制改革を目指している。
最近の習政権に批判の多くが見られるが、求心力を高め、長期政権を目指しているのか。
安倍政権では大企業、富裕層を優遇する減税がはびこり大企業の微々たる納税のニュースに怒りがこみ上げた経験がある。こんな時代にも優遇税制の恩恵を受けない中小企業やサラリーマンががんばって納税していたのだ。
企業の儲けを企業でなく、個人に帰することで消費を拡大し好循環の経済を築くべきだ。
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