2021年9月8日水曜日

政局を読む(19):総裁選で大事なのは、党役員人事、どんな組閣ができるかでは

自民党総裁選は、まだ岸田さんしか出馬表明していないし、各候補の政策がわからないままに、人気投票の傾向が見えないか。著名な経済学者のケインズが株式市場でたとえ話として「美人投票」を例示していた。

自分はA候補を支持したいが皆はB候補に投票するだろう。だったら自分もB候補に投票すれば、後で役職が回ってくるのではないかと言う考えだ。

現段階では河野さん、岸田さん、石破さんが人気度で争っているが、さらに高市さんが安倍さんの押しで出てきた。党内保守派が後押ししている。

河野さんは麻生派で世論調査では常にトップの人気、何でこんなに人気があるのか不思議なくらいだ。若くて党改革をやってくれるだろうと思っているのだ。

岸田さんは早くから出馬宣言し、政策らしきものも言い出したが、党内実力者の動きによってはトーンダウンしている政策もある。優柔不断なのだろうが、3人のうちでは人気度が一番低かったが今追い上げをしているとみられている。岸田派のトップであることはメリットが大きい。

一方石破さんは17人の弱小派閥でいつも20人の推薦人を確保するのに苦労している。今回の総裁選では慎重な姿勢を示していたし、今も「白紙だ」という。しかし派内では河野さんや岸田さんを推す議員もいるためにまとまることができない。

結局は自主投票になり、それぞれが自分の考えた候補者に投票することになるだろう。しかし石破さんは誰に投票するかなど公言しない方がいい。

河野さんも今はちやほやされ、河野vs岸田で考えると勝算はあるが、大事なことは総裁、総理後の党役員、組閣人事だ。

どんな内閣になるか、自民党員は想定しているのか。

河野さんは若く、世代交代、党改革を望まれているが、自民党内では世代交代に危機感を覚える議員が多いはずだ。また派閥を持っていないために人事では各派閥の長の了解を取る必要があるが、うまく行くか。

その点、岸田さんは有利だ。宏池会復興の責任も背負っている。保守本流としての見識がある。

今は、人気度で騒いでいるが、最後は党役員、組閣人事だ。ゴタゴタせずに出来るのは岸田さんしかいないとみている。


 

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