新型コロナ感染拡大の環境下で「安心安全な大会」を謳い開催を強行したIOC,菅政権だが、一民間団体のIOCに振り回された主権国日本の姿、問題点が露わになっている。さらに2030年には札幌冬季五輪が予定されているというが、今回の東京2020をしっかり検証し、招致、開催の是非を真剣に検証すべきではないか。
大きな違いはアスリートのために何でも開催が至上命令だった商業主義のIOCと「復興の姿を世界に」と政権の政治目的があったのではないか。菅総理も無観客でも実施すれば国民は歓喜し政権支持率も改善するのではとの甘いシナリオがあった。
東京オリンピック、パラリンピックが無事に(?)終了したと「安心安全な大会」だったことを組織委員会や関係者は誇るが、パラレルワールド(コーツ副会長)の一方では新型コロナウィルスの感染拡大が爆発的、災害クラスに発展、コロナ対応に不満を抱く国民は政権支持率26%と言う下落で抗議した。
これじゃ選挙に勝てないと自民党若手議員が騒ぎ出し、菅政権も失地回復にいろいろ対策を企てたがうまくいかず、最後は「やる気を失い」総裁選出馬を諦め、政権を放り出す結果になった。
もし1年前の中止/再延期論が高かった時に中止を決定していたら「国民の安全健康を守った」総理としての評価が高かったのではないだろうか。
主権国としての姿を世界に示したことになるのだ。IOC,組織委員会、各国競技連盟、五輪委員会は混乱しただろうが世界は新型コロナで苦戦しているときだ。理解されたと思う。
東京オリンピック招致の目的も3回変わった。当初は安倍政権で「東北の復帰を」世界にアピールするためだったが、1年延期で「完全な形での開催」で日本の国力を示そうとした。そして最後は菅政権で「困難な環境下でも実施できる日本の国力」を世界にアピールとなった。
しかし、東北の復興は未だ途上で福島第一原発の汚染水はコントロール下になく、タンクに貯蔵している現状だ。完全な形での実施と言うと有観客開催だろう。最後まで無観客か有観客で揺れた。IOCのバッハ会長は有観客の拘ったが菅総理は感染拡大のきっかけで無観客に決定した。知れでもバッハ会長は「状況を考え有観客も検討」の考えを主張した。
コーツ副会長も「新型コロナは無関係」「パラレルワールド」の考えでオリンピック関係者から新型コロナが出ないようにバブル方式を強調した。しかし、新聞報道では、こういった考え方は日本国民の反感を買うとのアドバイスでその後は発言を控えたという。
一方「平和の祭典」と言うが世界では人権侵害、紛争が絶えないが、難民枠、紛争国マラの選手の受け入れなど特徴を出すのに苦労したようだ。究極な広島、長崎への訪問で慰霊塔に献花し、世界にメッセージを送ったが、オバマ元大統領の真似だろう。一説にはバッハ会長がノーベル平和賞を狙っているという。
私利私欲も入り混じったオリンピック貴族、「ぼったくり男爵」と言われる。
IOCが商業主義に走るのは、4年間で日本円にして約6280億円の収入があり、この90%は国際競技連盟、各国五輪委で再分配される。アスリートのために「五輪運動の継続」が目的なのだ。だからこの資金が入ってこなかったら各国競技団体への資金が行き渡らず大変な事態になるのだろう。
大会が終わってこれから問題になるのが、「黒いカネ」と言われる招致のために運動資金の実態、高騰した開催費用、無観客での収入減、その負担先、新築した巨大な施設の維持管理、期間中のオリンピック委員などへの接待費用など本当に詳細がわかるのか。国民、都民はいくら負担するのか。
さらに、2030年には札幌オリンピック招致、開催の問題がある。
組織委員会の橋本委員長は閉幕後の記者会見で「100%成功とはいえない」など反省の弁を語っていたが札幌冬季オリンピックでは請われれば協力したいともいう。北海道は政治家としても地元だ。また組織委員会でやりたいとでもいうのか。
新聞では、札幌の担当者は「札幌市民がどう思っているかによる」と複雑な心境だ。
今回関係者が無観客での開催にこだわったのは、中国での冬季オリンピックが控えていたためではないか。東京は新型コロナ感染拡大で中止になったが、中国は早くからコントロール下にあり有観客での開催にこぎつけたと宣伝される可能性が高かった。おまけに中国は雪の少ない地方での開催だ。専用の気象台まで設置するという力の入れようで、視察したバッハ会長は驚いたという。組織委員会との会合で「日本国民・・・」と言うべき部分を「中国・・」と言って気が付き言い直したという。メデイアは「バッハ会長の気持ちはここ(日本)にあらず」ではと皮肉っていた。
東京オリンピック、パラリンピックが終わり、政治は総裁選、解散総選挙と映った。新型コロナ対策も東京では減少傾向も見えてきた。ワクチン接種が効いているのか、国民の注意が行き届きつつあるのか。政府は緊急事態宣言、まん延防止措置の基準見直しの「出口戦略」にかかってきた。菅総理辞任で「都合のいいデータ」で「様子見」も終わるだろう。
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