2021年9月2日木曜日

臨時国会の意義:菅政権は野党要求の臨時国会を何故、拒否する

災害級の様相を呈してきた新型コロナ感染拡大、線状降水帯による豪雨災害、尖閣問題での安保、目を外に移せば対中包囲網、アフガンからの米軍撤退、日本人救出のために出動した自衛隊などまさに緊急事態状況にあるが、野党からの臨時国会開催要求に何故か、菅政権は拒否だ。 

臨時国会要求は国会対策での森山―安住会談、野党共同での開催要求で繰り返し法違反の生命も出したが菅政権は開催しないことを確認した。 

臨時国会は憲法にも記載された国会の少数派による開催要求権で召集を決定しなければならないが内閣の履行に関して法的拘束力はない。憲法でも召集期日に関する規定はない。しかし、相当の期間内に召集することを決定しなければならないと考えるべきなのだ。

安倍政権、菅政権が要求された臨時国会召集を拒否するには吉田内閣で2ヶ月以上開催しなかった事例があるからだろう。しかし、最近の判例では「憲法上、違法状態」と断じている。 

思うに新型コロナ対策でも菅総理は「国民の安全、健康を守る」ことが私の責任と言っているが、数度にわたる緊急事態宣言発出でも成果が見えない。予算化も含め国会で審議しようと野党は提案しているのだ。 

しかし、「休会中の審議」、田村大臣や河野さん、西村さんらがしっかり対応していると菅総理は言ったことがある。 

菅さんの本音は新型コロナ対策以外にも根堀葉堀いろんなことを追及される可能性があり、菅総理にとっては不利な内容ばかりで回避したいだろう。

野党が「てぐすね引いて待っている課題」はたくさんある。

まず、感染拡大が止まらない新型コロナ対策だ。菅総理も「現下では感染拡大防止が最優先課題」だという。政策に不満が高まり菅政権支持率は26%、オリンピック開催が感染拡大している因果関係を否定している。IOCにも主権国の権利をないがしろにされた。「国民の安全、健康が守られていない」状況などをどう考えるか。

緊急事態宣言など政策を十分に検証せずに次から次に対策を打ち出す無責任さをさらけ出している。

迫り来る衆議院議員の任期、総選挙をどうするか。菅総理は自分の政権の延命のためにスケジュールをやりくりしている。任期満了によるそうせんきょになる。

豪雨による広域に災害が多発した。復興も重大な課題になってきた。

尖閣への中国艦船の領海侵犯、安全保障でのアメリカとの協同、東、南シナ海での航行に自由を目指した米英独仏豪印による米国主導の中国包囲網の構築、「台湾有事」への対応は、自衛隊の派遣、日本の港への外国艦船寄港、物資の供給体制など安保上重要な課題が多い。 

アフガニスタンからの米軍撤退は米軍が駐留する国に大きなインパクトを与えた。日本に駐留する米軍はどうなるのか 

中国、北朝鮮に対する防衛から日本の防衛費は急騰、5.4兆円にも達する。ミサイル配置、イージスアショア配置、各種技術開発への出費とGDPの1%に迫る。 

毎年伸びる一般会計予算、2022年は111兆円で過去最多、借金も1166兆円でGDP比200%を超える。財政再建はどうなるのか。

地球温暖化対策も2050年までに実質ゼロ政策、原発再稼動、石炭火力発電、遠い将来目標に責任ある政策実行が出来るのか。 

一つとして菅政権が有利と思える政治課題はない。普通の人間だったら避けたいところだろう。そうは行かないのが政治だ。

岸田さんは総裁選で安倍さんの支持を得たくて、憲法改正にも取り組むと発言したそうだ。

自民党は憲法改正で「緊急事態条項」を加えると言う。でも今の緊急事態下でも臨時国会を開催することを渋っている。こんな自民党政権で憲法改正を出来るのか。

野党を恐れる菅政権では国民の信任は得られない。

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