総理という最高権力者になると、「その引き際」も大変なんだろう。国会議員を目指し立候補する人はみな「総理」を目指すはずだがその確率は非常に低い。権力を掌握して座に就いた者もいるだろうが、棚牡丹式に降ってわいた例もある。折角の総理の座だ、そう簡単には引き下がれない。
政局にあって未練たらたらも理解できるがここで「2人の菅さん」を比較し、「潔さ」が見えずどの政党でも同じなのだと感じる。民主党政権時の菅総理、今の自民党政権での菅総理を比較してみた。
いずれの政権も直接「国民の安全、健康」にかかわる災害」に直面すると国民の要求に満足に答えることができず支持率を下げる結果になった。
今の菅総理は新型コロナ感染拡大防止の対応しているが「後手後手」批判で支持率は26%と危険水域だ。これじゃ選挙に勝てないと自民党国会議員の若手議員が騒ぎ出した。3回生以下の議員が46%もいるのだ。彼らには地盤も弱く政治生命がかかっているのだ。
菅総理は自分の責任は棚に上げて、党役員人事、内閣改造、総裁選、衆院選挙の政治スケジュールをいじくりまわして延命対策に終始したが、人事で行きつまり目論むでいた総裁選出馬を断念した。
「潔良い」身の引き方とは程遠く、新聞は悪い面だけを記事にしたようだ。
一方、民主党政権時の菅総理は3.11東北地方太平洋沖地震、巨大津波さらには東電・福島第一原発放射能事故と未曽有の甚大な災害に見舞われたが、「国民の安全、健康」を守る政策ではご多分の漏れず国民の批判が高じ、支持率を落とした。
民主党へ政権交代後、一人目の鳩山総理は公約不履行、小沢さんとの権力の二重構造で政権基盤を弱体化、最後は小沢さんと一緒に役職を去った。
2人目に菅さんが総理の座に就いた。当時は「市民運動家出身」ということで60%を超える支持があったと思う。しかし、悪いことに未曽有の災害のほかに政局は「いつ解散総選挙か」で不安定になった。
菅総理は、次から次に政策を打ち出し、「めどが立った時点で辞任」と公表したが、一度政局が不安定になると修復は厳しい。最後はどうなったか忘れたが、引きずり降ろされたと思う。
民主党だってせっかく政権交代したのだから何とか政権を維持しようとしたのだ。3人目の野田総理に続く。
民主党政権時の菅総理も今の菅総理も「延命策」を探ったが、支持層が離れてはどうしようもない。「潔よい」引き際は難しいのか。
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