2022年10月4日火曜日

行きすぎる円安を止めるには「リフレ派経済」から正統派経済へ、利上げしかない

折角(?)とは言えないが、146円台を前に政府が約2.9兆円で為替介入したがもう元の145円台に戻っている。米国との協調介入ではないために効果は薄いといわれていたが、そう何度も介入できるはずがない。

おまけに黒田総裁が「量的緩和策の継続」を記者会見で発表していた裏で、財務省が為替介入に踏み込んだ。現在の円安対策で政府と日銀に考え方の違いがあるのか。

そんな時、朝日新聞(2022.10.2)Sunday Wide での野口・一橋大名誉教授とのインタビュー記事「円安という「麻薬」 弱めた成長力」は説得力があった。

今の輸入物価高騰による国民生活への影響は円安の影響、物価は上がるが賃金は上がらない生活苦だという。

この円安、物価高に歯止めをかけるのは日銀が金融緩和をやめることだという。このっまでは金利差が拡大し、円安が進む。ドル評価した場合に日本人の賃金は安くなっているという。自国の通貨が安くなることは国にとっては利益にはならないのだ。

産業界も賃金の安さに胡坐をかき、やらなければいけなかった産業構造の変革を怠ってきた。それが20年、30年にわたった日本の成長力を弱くしてしまったというのだ。

説得力のある説明で同感だ。黒田総裁の任期も切れる、アベノミクスで始まったリフレ派経済から伝統的正統派経済へ早く移行すべきだ。

緩和縮小から「利上げ」に向かえばあらゆる分野で影響が出てくることを日銀は心配しているが、政府、日銀は「利上げによる影響」を丁寧に市場、国民に説明し、徐々に国民を慣れさせていく方向に移った方がよい。

産業構造の変革とともに、「分配」による国民の格差拡大を回避するために大企業の法人税、富裕層の優遇税制の見直しに取り組むべきだ。国内経済は破綻し、海外で儲けを出すことがいいとは思えない。

日本、そして日本国民あっての日本企業なのだ。行きすぎたグローバリゼーションの見直しも重要だ。

岸田総理は所信表明で「経済再生が再優先」という。今の産業構造を維持するのではなく、負担も強制し、本来の強さを出させるべきだ。


 

0 件のコメント: