2009年9月7日月曜日

国民が民主党を見限るとき


民主党政権が右往左往している。一気に人事を発表すると言いながら、小出しの人事発令、なかなか読みにくい政権運用で要になる国家戦略局、連立政策のための社民党、国民新党との党首協議会などの構想、そして幹事長の小沢さんの存在に対する根強い不信感など民主党の先行きに不安を感じざるを得ない。

 それに、今回当選した民主党新人候補者の資質の問題は、直ぐに戦力として期待できず、国会議員教育は民主党の大きな課題に上げられている。

 さらには、民主党の大命題は「ムダの排除、予算を根本的に組み替える」ことであるが、経済効果を早く出すためか、駆け込み執行なのか、補正予算の多くは既に執行されているらしい。取り戻しが可能かどうかを検討するというのだから先が思いやられる。

 国民が期待した政権交代、民主党がやろうとしている政治改革は、言ってみれば大変革であり、国民を味方に付けなければ、ほとんど不可能である。

 今後は恐らく、事ある毎に民主党マニフェストとの整合性が攻撃課題になり、野党やメデイア、政治評論家は批判を繰り出し、そうなれば民主党政権は早晩行きづまる。その時、国民は我慢するか、民主党を見切るか。

 民主党が国民の支持を失う時とは、どんな時か

 一番考えられるのは、政治判断が国民の目線からかけ離れだしたときだ。
 政治では、大きな課題から小さな課題までその時、その時判断しなければならないが、その時官僚の情報、アドバイスに偏ると判断を誤る危険がある。「国民の目線」からかけ離れてくると、「やっぱり民主党もダメか」と言うことになる。
国民の支持を得るのは大変であるが、支持を失うのはアッと言う間だ。

政策実行に多数の機関が絡んでくるようになると、意見の一致が不可能になり、政権が瓦解することになる。

 官邸では、国家戦略局を中心に「官僚主導から政治主導」へと方向転換しようとしていることは賛成だ。しかし、参議院での議席数のことを考え社民党とか国民新党との連立が必要なために、協議会を作るという。社民党は国家戦略局への参加を希望しているとも言われている。何やらあの細川政権で政策不一致による政権瓦解の原因になった8党派による協議会(?)の存在が思い出される。
 国家戦略局が、政治主導へ向け激しく官僚と戦っているときに、官僚はこの協議会に擦り寄ってきて官僚主導を目指そうとする。官邸が党に負けるときが民主党政権の瓦解の時だ。細川政権の二の舞になるのだ。

 皆が心配している二重権力構造であるが、小沢さんの今までの政治行動からして、政権が行き詰まる事は十分可能性がある。一部の政治評論家は細川政権の時の「あの失敗」は反省しているはずだと言うが、小沢さん本人は「あの件」に関してなにもコメントしていない。

 鳩山さん、小沢さんの2トップの政治資金規正法違反事案は、民主党のアキレス腱だ。

 小沢さんの政治と金の問題は、裁判所も認める案件もあり、払拭するのはむずかしい。入閣すると矢面に立たされるのは目に見えているので党の仕事に専念するのだろうが、政権政党の幹事長だ。証人喚問するなどして徹底的な糾明が必要だ。「知らなかった」、「何もしていない」で斡旋収賄罪適用を回避するなど、国民感情からして理解できない。

 一方の鳩山さんも説明責任は尽くしたというし、世論調査でも60%は「納得する」という。でも何も分からないのが本当だ。考えてみれば脱税行為とも受け取れる。クリーンな政党には馴染まない。

 野党の自民党は、今はショックの余り消沈しているが、政治資金規正法の見直しは必要だ。「政治と金」の問題を議論する中で、2人の責任を追及する手もある。そして国民が納得できなければ、鳩山政権は終わりだ。

 鳩山さんがダメなら、岡田さん、菅さんがいるので、人材には事欠かないが、小沢さんをいれ2人の責任問題では民主党政権は持たないだろう。

 その時が2年先か、4年先か分からないが、野党自民党がどうなっているかだ。立ち直るにしても核となる人材がいない。強力な支持基盤がみつからなければ自民党は解党しているだろう。地方によっては、自民党議員が欠けた県もあるらしい。本当に小泉さんの「
 自民党をぶっ壊す」公約が実現したことになる。

 健全な二大政党制を築くには、健全な野党が必要だ。自民党を立ち直らせるか、他の政党を作れるかは国民の課題になる。民主党を見捨てるときは、野党が健在でなければ、国政は崩壊し、国民生活は大混乱になる。

民主党政権を長持ちさせるためには、メデイアも民主党が国民の目線に反する判断をする時は厳しく批判し、その姿勢を正すことだ。民主党員は官僚に負けないようにしっかり勉強し、党の方針に拘らず自分の判断で行動する勇気を持つべきである。

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