2011年11月11日金曜日

これが政治の潮流か:指導力なき弱体政権、与野党攻防そして債務問題



これが世界の政治の潮流なのか。指導力のない弱体政権、あきれ返るほどの与野党攻防、そして経済学では解決しそうにない債務問題、それに関連した為替、株安の動向、目が覚め新聞を開くと飛び込んでくるニュースだ。

政府債務問題では、市場不安が拡大し国債下落、国債利回りの危険水域を大きく外れたギリシャ、7%の危険水域を浮沈しているイタリアの政権が崩壊し、ギリシャは政治手腕は未知数であるが経済専門家のパパデモス新首相での連立政権、イタリアは2月の総選挙を待てずに経済通のモンテイ新政権で財政再建法案を成立させようとしている。

議会での与野党の攻防も激しい。パパンドレウ政権、ベルルスコーニ政権も内閣不信任案の提出が予定され、国民投票、総選挙で国民に信を問うことも考えられていたが、早急な財政再建が要求され連立政権での政治運営になったが、先行きは不透明と思われている。

これらの欧州の動きは、決して他人事ではない。日本も同じ状況にあるのだ。

政府債務は対GDP200%、借金は1000兆円に迫ろうとしている。何時市場が警戒感を持つかにかかっている。

民主党・野田政権も弱体政権だ。民主党は信を失っているし、野田政権の党内基盤は脆弱だ。薄氷のバランスの上にかろうじて成り立っている政権で、指導力など発揮できる状態にない。

案の定、TPP参加では「最後は政治判断だ」といいながら、党内の賛否も二分化している状態に、「一日良く考える」と表明を先送りした。11日の衆議院予算委員会をNHKテレビ中継で見たが、十分に情報公開もされず、議論も進んでいないTPP参加問題に野党の質問者は、拙速な参加に異議を唱えていたが、野田首相は「現実に甘んじるか、将来を考えるか」、これが判断基準だという。

与野党の攻防も激しい。解散・総選挙を目指して主導権を発揮したい自民党にとっては、そう容易に民主党との妥協は出来ない。

「国益」は何だといわれても、そんなことを考えて政治をやっているわけではなかろう。

ポピュリズムにより政権交代できたが、ポピュリズムにより見放されている民主党政権だ。
そんな政権に重大な国政を託し続けるには不安が大きい。

米国だって同じだ。来年の大統領選に向けオバマ大統領は苦戦している。雇用促進法案も共和党の支持が得られずモタモタしている。経済も一向に好転しない。草の根会、茶会などに振り回される政治に大きな期待は出来ない。

世界を震撼させている債務問題は、国債利回りが危険水域の7%をこえた国だけでなく、一応安全水域にある国も巻き込んだ経済混乱を起こしている。

財政健全化に向け強い指導力の発揮できる政権を要望されているが、政治・経済に強いリーダーが出てくるのは何時のことか。主導権争いばかり繰り返している各国政界にあっては所詮無理な話か。

写真:予算委員会での野田首相 2011.11.11 NHK国会中継より

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