2011年11月12日土曜日

TPP交渉参加:野田首相! 言葉の「まやかし」ではないか



まだ、ひと悶着続きそうなTPP参加問題だがAPECでは「参加表明」ではなく、「交渉参加表明」に政治決断されたが言葉の「まやかし」ではないのか。賛否二分化するTPP参加で結論を先送りしたかに見える官僚特有の表現になった。すでに参加は決まっているが、ここは国民を欺瞞する手法に出たのではないか。

APECで表明するには時間が迫っている。参加反対意見も多い中での決断は、反対意見にも配慮しなければならない事態になった。

日本が今まで築いてきた良い制度は守り抜くと「国益」を守る意思も表明したが、交渉に当たる政府や官僚が「国益」を守ったことがあるだろうか。守ったのは、常に自分たちにかかる利権であり、相手国(今回は米国)に高評価を得ようとする政権の立場だ。

「交渉に参加」とは、どういうことか。TPPでの詳細な交渉で、日本の国益に合わない事態が生じた場合「不参加」を表明できるのか。また、それだけの覚悟で交渉に当たるのか。

11日の首相会見を見ると、「各国と協議」→「情報収集」→「国民的議論」→「国益の視点に立って結論」という。

今だって、反対者は情報が少ないというと政府は、得ている情報は出しているという。すでに50時間も議論したというが、その結果が今回の一連の賛否両派の動きだとすると、「国民的議論」なんて期待できない。もしかして国民に信を問うのか。

今まで米国とは内政干渉に近い年次改革要望事項が出され、日本政府はそれに従い改革をやってきた。しかし、国益が守られたものではなく、米国に言いなりのものだった。

今回のTPPに関しても韓国を例に「米国との交渉は常に損?」と警告する記事が載っている(朝日新聞2011.11.5)。

今回日本が考えているTPP参加は、GDPから見ても明らかなように、結局は日米自由貿易協定(FTA)だというのだ。韓国は米国との米韓FTAでは「韓国が損」をしており、韓国内ではデモが拡大しているという。

米韓FTAの問題点をよく検討してからでも決めた方が良いとアドバイスしている。
また重要なことであるが、企業が相手国の政策で損害を受けたとき、仲裁機関に訴えて損害賠償を求められる条項も含まれるとすると、北米自由貿易協定(NAFTA)で例があるように莫大な賠償金を要求してくる恐れもある。米国だからやりかねない。

コロコロ変わり、普天間問題でゴタゴタしている日本の首相と米国大統領の間では良好なコミュニケーションがないこともあるだろうが、政権延命のために米国との良好な関係を築くために、「国益」を犠牲にした協定を結んではならない。

TPP参加は避けられないと思うが、国内議論が今は足りない。

写真:TPP交渉参加の首相会見を報じる読売新聞 2011.11.12

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