2012年8月28日火曜日

野田総理 そんなことで「決める政治」が進むのか

NHK クローズアップ現代で最近の政治を
説明する野田総理
2012.8.27

野田総理 そんなことで「決める政治」が進むのか。総理が政治生命をかけた社会保障と税の一体改革関連法案も3党合意に持ち込んで危うく成立にこぎつけたが、国会審議を聞いていても政治基盤の脆弱な野田総理にとっては、党内的にも、対野党的にもビシッとしたことが言えないところに最近標榜しだした「決める政治」が危ういものになってきた。

27日のNHK・クローズアップ現代の「野田総理に問う」を聞いても、肝心なところをはぐらかした説明に国民との隔たりが見え隠れするものであった。

今、一番国民が関心を持っているのが「解散は何時か」だ。キャスターの「近いうち」とは何時なのかとの問いに、従来どうりの「それ以下でも、それ以上でもない」と答え、これからやるべきことがあると次の課題を挙げた。

法案は成立したが、社会保障の内容をまとめる国民会議を早く立ち上げること。経済を再生すること。国民に増税を強いる前に自ら身を削ること。領土、領海、主権に関することを上げて見せた。

でも、解散時期というのは、次の総理を決める選挙であって、誰が、どんな政策を掲げるのかを知りたいところであるが、ギリギリまでわからないところに国民との隔たりがある。野田総理は代表選に立つのか、意欲はあるのかとキャスターが畳み掛けた。

野田総理は、「今国会で一生懸命やっている最中なので言えない」と頑なに言明を拒否した。

エネルギー政策でも原発再稼働は国民生活などへの影響を考えて判断したと言い、ゼロになる場合、灰色になる場合どうなるかの判断資料を作成させ、最終的には政府が定めるという。

キャスターは、総理はゼロかゼロでないのかと突っ込んだが、極力依存度を下げていくという。ゼロを目指さないのかとの質問には、再生可能エネルギー、省エネはどうなるかなど考えなければならないともいう。

3.11以降、何を重視するのかで安全性77%、コスト16%が出ているが総理は把握していたのかとの質問には、出来るだけ多くの声をしっかり受け止めていきたいと明言を避けた。

社会保障制度改革は、増税だけ先に決めて内容は棚上げになっていないかとの質問には、野田総理は関連法案は8本あり、年金2本、子育てなどもあり、決してお座なりにはしていないことを強調した。

改革の内容をまとめる国民会議は新しい政権でやるべきではないかと自民党・谷垣総裁は言うが、野田総理は「自身の手でやりたいのか」との追及には、20人の人選、3党合意もあり、早く立ち上げる責任があるという。

国民会議を立ち上げて初めて社会保障と一体改革に魂が入ることになるので、何故解散・総選挙が先になるのかと疑問を呈していた。

最近の野田総理は、記者会見、テレビ出演が多いが、やっぱり国民に一番関心がある「近いうち」を明確にしなければ誰にも納得されないだろうが、求心力の低下にもつながりこともあり避けたいところだろう。

「先送り」も決して悪いものではなく、しっかり議論して決定できればそれでいいのではないか。寧ろ「玉虫色の対応」こそ、後々混乱を招き政治が停滞する要因ではないだろうか。

「決める政治」と言うが、先送りされる政策が多いのも確かだ。

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