2013年11月13日水曜日

みずほ銀行の暴力団融資事件:「大きくなりすぎて潰せない」問題にアグラをかくメガバンクの姿?

みずほ銀行の不祥事、暴力団融資事件は、金融危機にあって「大き過ぎて潰せない」問題にアグラを構き続けるメガバンクの姿ではなかったか。ラジオニュースで国会招致された「みずほ銀行」の佐藤頭取が「担当役員までと嘘の報告をしたのは、恣意的ではなく基本動作の単なるミス」という意味の釈明をしたが、背景には金融庁との関係で「何とかなる」と安易に考えたのではなかろうか。

メガバンクは「大きすぎて潰せない」ことを良いことに傲慢なやり方をやっているのだ。

衆院で佐藤頭取は、「他にもこういう例は出てくる」と言い、麻生財務相は「遡って深く検証する必要があった」と金融庁のやり方を謝罪した。

銀行というところは、どうしてこうも社会常識に欠けているのか。現在の狂った経済の根本原因は銀行の失敗した経営にある。

バブル期に放漫な経営で大儲けし(?)、バブルが弾けると経営の根幹を揺るがす事になった。銀行が潰れると「社会的混乱」は計り知れず、政府は公的資金注入、1000万円を上限に預金を保障する手を打って銀行を守った。

又、銀行の体力が落ちているので銀行の合併によって体力維持の方策をとった。体力が弱った銀行同士が合併しても体力が回復するはずはないが、合併によって競争にさらされる機会は少なくなるので、それなりの効果はあったのだろう。

銀行の経営が傾くと世界経済への影響も無視できなくなり自己資本規制を実施し資本の上積みが求められた。讀賣新聞(2013.11.13)によると、金融安定化理事会は巨大銀行に厳しい資本規制を課している。三菱UFG銀行に1.5%、三井住友銀行、みずほ銀行に1.0%の上乗せを要求している。

銀行に対する「大きくなりすぎて潰せない」問題は、2013年10月10日~11日に米国・ワシントンで開催された20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議の声明でも強靱な金融機関の形成、「大きすぎて潰せない」問題の終結が掲げられている(財務省HPより)。

具体的にどうするのかは分からないが、健全且つ信頼に足る金融システムを構築するための取り組みを追求していくというのだ。

安い預金金利にも関わらず、銀行の好決算をみるのも頭にくる。投資信託だって加入者は損しても銀行はちゃっかり前金で手数料を取っている。

クルーグマン教授も彼のコラムで「銀行を救済するよりも、先に労働者を救済せよ」と正論を吐いていた。

アメリカの経済学者は、「賃上げが出来ず、家計収入が増えないのであれば銀行預金の金利を上げたらどうか」と提案していた。預金金利が5~6%になれば消費も上がり、経済は好転するのではないか。勿論、中小企業は金利上昇で借金しにくくなるが。

不祥事を起こすような銀行は整理するのが筋ではないか。政府が「社会的混乱」を恐れて銀行保護の手厚い政策を打っていることが、銀行が健全経営する機会を失していたのではないかと思うのだが。

[ 後記]

このメガバンクの暴力団融資事件は、根が深いことが讀賣新聞(2013.11.14)の衆院委質疑で分かった。

みずほ銀行本体の他にも三井住友銀行でも同じ事案があるようだ。件数は非常に微妙な情報なのでご容赦いただきたいという。

何故公表しないのかとの野党議員の質問に、公表することで回収や解消に支障を来す事もある。反社会的勢力に関するデータが警察と一致しない部分もあり、不測の事態にもなりかねないと言うのだ。

不測の事態とはただ事ではない。

麻生金融相も公表に関しては慎重な姿勢を見せた。

大新聞は件数の追求はしないだろうが、週刊誌では追求するのではないか。じったいをしるにもがんばってほしい気がする。
                                 (2013.11.14 午前6時30分)
               


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