2013年11月4日月曜日

原発ゼロ論争:小泉元首相曰く「人間の考えは変わるもの」と

小泉元首相の「原発ゼロ」講演を伝える
TBSテレビ「朝ズバッ」
みのもんたさんが降板したので久しぶり
に見てみた
原発ゼロ論争が小泉vs安倍の構図になってきた。小泉元首相は「人間の考えは変わるもの」と推進論者から反対論者に変わったことを一向に気にかけない。寧ろ勉強すればするほど「ゼロへ」の方向へ向くと講演したニュースが流れている。

小泉さんは、事故後勉強したら「原発ゼロ」に行き着いたのだが、安倍総理は「日本経済を取り戻す」には、経済成長路線が重要で、再稼働の方針を貫いているように見える。トップ・セールスマンとして海外へ原発を売り歩いている。

福島第一原発で事故を起こしたが、「だから日本には安全に対する技術がある」と逆転の発想だ。国会でも野党から追及されたが意に賭けない。

私も原発はフェードアウトしかないと思っている。40年の設備寿命が残っている設備については、規制委員会の審査で合格なら再稼働しかないと思う。

確かに、原発には問題が多い。

原発はクリーンで安全という考えはあった。しかし「事故が起きる前までは」と専門家から揶揄されてもいた。

発電単価は政策的に他のエネルギーよりも安く算出されている。1kWhあたり5円程度だと思ったが正確に試算すると他のエネルギーと同程度の10円ぐらいになる。決して安いエネルギーではないのだ。

更に、最終処分が決まっていない。今は埋め立て保管で、これも維持管理に莫大な費用を投じている。

小泉さんが「再稼働」を楽観的無責任と批判するが、間違ってはいない。

国を挙げて原発を推進した。ひなびて財政難に苦しむ海岸近くの自治体に建設を働きかけた。当時の地元の推進論者は「泥田に鶴がカネを持ってきた」といったほどだ。

税金から湯水のように流す交付金などでひなびた原発立地自治体は潤った。既設の原発設置基数では交付金が減ってくるので、更に基数を増やし交付金を確保した。

私たちは、日本経済再生のために原発を再稼働するか、原発をゼロにして代替可能エネルギーに変えていくかを慎重に議論しなければならないときだ。

亡くなった理論物理学者の武谷三男先生が「群れから離れる勇気を」と警告している。先頭の羊の後を追って群れの中でひた走り続けるのか、あるいはこの群れから離脱するか、真剣に考えるときが来たと13年前に警告していた(「危ない科学技術」・・明日あなたの隣で起こる悲劇 武谷三男 青春出版社 2000年3月)。

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