国連・非常任理事国入りは、6000億円の価値があるのか。そう感じる安倍総理の今回のバングラデッシュ訪問だった。早期の訪問要請を受け4日、内閣改造後バングラデッシュを訪問、物流インフラ、エネルギー供給、経済特区を含めた都市開発に協力、原子力発電所、石炭火力発電所建設で電力供給に協力するために6000億円を支援すると言う。
その代わりに、国連・非常任理事国でバングラデッシュは立候補を辞退し、日本を支持することで、日本の非常任理事国入りが濃厚になったのだ。
何やら6000億円で非常任理事国入りを買ったようなものだ。
7日の主要新聞は、朝日新聞DIGITALが「バングラデッシュ、国連非常任理事国辞退 日本支持へ」、東京新聞WEB版が「日本の理事国いり濃厚 安保理選バングラデッシュ辞退」、日本経済新聞電子版が「日本の理事国入り支持 バングラでッシュ首相「立候補辞退」、読売新聞が「非常任理事国 日本支持 バングラデッシュ」と一様に報道した。
安倍総理は「21世紀にふさわしい国連の姿に変えていくためにリーダーシップを発揮する」と意気込む(日本経済新聞電子版2014.9.7)。当然だろう。国連への拠出金が米国に次いで2番目に多い国が、発言力がないなんてあり得ないことだ。
でも、国連安全保障理事会は国際平和と安全の維持に主要な責任を負い、国連加盟国を拘束する決定をする唯一の機関と言うが、その役割を果たしているとは言えない。
一番の問題は、常任理事国であり拒否権を持つ中国、ロシアが自ら近隣諸国と領土問題等で紛争の当事国になっており、更に、以前のアメリカvs共産主義国の構図を維持していることで紛争を調停できる体制になっていない。
安倍総理が言うように改革が必要で、2案が提案されている。一つは理事国の拡大案で日本、ドイツ、インド、ブラジルが常任理事国入りを希望、二つ目は任期4年で再選可能な準常任理事国を創設しようという案だ。
韓国や中国が日本の常任理事国入りに反対している。
うまく行っていない理由に、隣国、近国が常任理事国になるとことによって自国の国際的影響力が相対的に低下したり、自国の安全保障にとって「潜在的脅威」になる事を恐れてのことらしい。
低開発国、途上国の加盟が多くなって先進国と途上国とで価値観の違いも出ている。
何のための国連なのか分からない。そんな国連の非常任理事国に入ることに意義があるのかと考えさせられる。
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