2015年2月28日土曜日

川崎・中一殺害事件:第一義的には加害者、被害者の親の責任を考えるべきでは

多摩川での中一殺害事件は、被害者の少年がいろいろSOSを発していたことで未然に防止できなかったかと議論になるところだが、やっぱり第一義的には加害者、被害者の親に責任があるのではないか。子どもの教育は80%が家庭、学校が10%、社会は10%と言われる。

いつものことだが、この種の事件が起きると親の責任は後回しで、学校や社会の責任が大きく追及される。20%の責任を検証しても80%の責任がおろそかになっているので何時でもこういった事件が後を絶たない。今回もそんな気がしてきた。

多摩川を挟んで大田区に住んでいると身近な事件として非常にショッキングな事件だ。

驚くことに主犯格の少年が弁護士に付き添われて出頭する映像をテレビニュースで見たことだ。既に自分が殺人罪で逮捕されることを覚悟しての用意周到な対応のようだ。

普通なら親に付き添われ出頭し、その後で弁護士を選任するはずだが、加害者の親は弁護士を通じて「その時間は家にいた」と公表し、主犯格の少年は「その件では話したくない」と供述しているらしい。

ところが防犯カメラで特定された他の2人の少年も逮捕され、1人は否認しているが、もう1人は「自分は現場にいただけ」と事件に関与したことを認めているらしい。今後はこの少年の供述で3人が事件にどう関わったかを解明できるのではないか。

少年の自供だけではダメで、物的証拠の収集のため家宅捜索もやったようだが殺人現場が多摩川河川敷で返り血を浴びた衣服類は近くのトイレで焼いたようだが、凶器となるような物が見つかるかどうか。

こう言う事件が起きるといつも被害者について個人情報も含めた詳細なニュースが流れるが、逆に加害者の方は個人情報の保護かどうかは分からないがニュースがない。だからこそ一層不気味な事件に写る。

ただ、主犯格の父親が、自分の息子はやっていないことを前提に事件への怒りを表していた。

「その時間は家にいた」と言うが午前2時頃、家族以外にどうやって証言を取れるのか。警察が納得するはずがない。一方で、事件現場の防犯カメラでその時間帯の行動が確認されているのだ。

それにしても防犯カメラの威力はすごい。犯罪捜査に大きく貢献している。私たちは一歩家を出ると商店街、駐車場、コンビニ、マンション、金融機関、学校周辺、駅などに設置された防犯カメラに必ず写っているのだ。

警察の犯罪捜査も防犯カメラで捜査手法が変わってきた。

一方で通信手段の発達は社会も変えた。子どものコミュニケーション手段も替わり青少年育成活動、防犯活動も難しくなってきた。

又、不良グループの活動も夜中だ。そんな夜中に防犯活動が出来るのは警察のパトロールにたよるだけだ。それだって空白の時間だらけだ。

ところが今回の事件も被害者の少年がSOSを発していた。友人が主だったが親は当然分かっていたはずだが家に帰ってこないとも言っていた。でも家に帰ってこないことを心配しないのか。

今年に入って学校を休んでいたと言うことで学校も異常には気づいていたはずだ。報道では何回も連絡を取ろうとしたし、担任の先生が5~6回訪問したが会えなかったという。

学校の責任も追及されるだろう。川崎市は対応の是非を検証すると言うが、学校の先生だって授業もあればいろんな雑用で時間一杯働いている。学校を休んでいる子どもにばかり気を取られてはいられないのだ。

だからこそ、毎日顔を合わせる親、家庭の責任は重大なのだ。親が面倒を見切れないで誰が面倒を見るというのか。

何時か聞いたことがあるが、子どもの教育は80%が親や家庭、10%が学校、残り10%が社会にあると言う。この種の事件が起きると親は何をしていたのかといつも気になる。


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