2015年2月12日木曜日

どうなる日本の民主政治:反対意見を牽制する安倍政権に政治を託せるか

メデイアの反対意見を牽制する傾向があからさまになってきた安倍総理に日本の民主政治を託せると思うか。日々の政治課題は益々難しさを増してきたが、安倍政権、官邸のメデイア発言への牽制が効を奏してか曖昧でコメンテーターもYESマン的発言が多くなってきた感じだ。翼賛政治体制になってきたとも言われ出した。

9日には「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者が声明を発表した。「非常時の政権批判」自粛に異議を申し立てた。

また「世界報道の自由度ランキング2015年版」では、180カ国中日本は61位に後退したという(msnweb版 2015.2.12)。

確かに先の衆院選あたりから安倍政権のメデイア牽制は酷くなっている。

TBSテレビニュース23を見ていたら安倍総理が生出演し、キャスターがアベノミクスの成果(はっきりは覚えていないが)に付いて質問したと思ったら、何を勘違い(?)したのか成果を示している経済指標を羅列し効果は出て来ていると反論した。「よくもこんなに経済指標を覚えているものだ」と逆に感心したものだ。

選挙期間中に「選挙報道の公平、中立を求める」という文書をメデイアに送りつけた。安倍さんは指示していないと言うが総理の意向を側近が忖度した結果だ。

暗に人事まで口出しする。NHKの大越キャスターの原発などに関する発言(?)を官邸が気にくわなかったのかNHKにクレームつけ、3月で番組を降りることになったらしい。

NHK会長も官邸寄りをあからさまにする籾井会長に替わらせた。前会長は政権との距離を保つことに腐心されたが、籾井さんは官邸の意向を重視する姿勢だ。報道現場は萎縮しているという。

報道ステーションもやり玉に挙がった。イスラム国対策の支援表明演説を官邸主導で作成したと言う報道に外務省が「事実と違う」とクレームを付けた。一方、朝日テレビ側は取材に基づいていると反論する。

今回の「イスラム国」による2邦人の殺害事件で政府は検証すると言うが「政権批判はテロリストに利するだけ」と政権批判を封じ込めたがそれで真っ当な検証が出来、今後の人質事件などへの改善策が作れるのか。

また、これをきっかけに集団的自衛権、安保体制、憲法改正など安倍総理の念願の政策課題を強引に進める世論形成に持って行きたいようだが、自民党が一丸となっているのだから恐ろしい限りだ。

日銀の審議委員にリフレ派の原田さんをあて、異次元の量的緩和を推し進めるようだ。こんなに多くのカネを市場に流すが2%物価目標は達成出来ないようだ。円安は進むが狙っていた輸出は伸びない。

2年で2%物価目標達成を誓って就任した岩田・日銀副総裁、概ね2年で達成を誓った黒田・日銀総裁も達成が少々遅れると言うが辞任しないのか。

歳出削減で社会保障費の削減など国民虐めの政策を進めるが、それでも2020年のPB黒字化は無理で9.4兆円の赤字になるらしい。

今後もアベノミクスを進めると言うが肝心の成果が見えてこない。家計への再分配が遅れており実質所得は長期にマイナスが続いている。安倍総理は財界に賃上げを要請するが経営者にとっては一様に賃上げは難しいようだ。

こんな難局をどう舵取りするのか。

相変わらず安倍政権の支持率は50%前半を維持している。しかし、朝日新聞と東大の調査の安倍総理に対する好感度は50だそうだ(朝日新聞2015.2.1)。良くもなく悪くもないのだ。

自民党内に強力なポスト安倍がおり、派閥の領袖も非安倍がいれば内閣支持率ももっと下落してよい政局であるが、これと言ったポスト安倍が見当たらず、今のところ消極的支持と言うことか。

読売新聞の世論調査で、「安倍内閣を支持する理由は」という設問があるが、「総理が安倍さんだから」より「他の政権よりマシだから」のほうが割合は上だ。

安倍総理は積年の課題を自らの手で進めたい意向が強いようだが、「今の安倍総理に託すのは危険」と思わないか。福沢諭吉が政権選択の判断基準は「悪さ加減の少ないのはどちらか」だと言う。

安倍総理、安倍政権の悪さ加減を考えるにも、「安倍政権に替わる政権はどんな政権か」が想定できるような政界であって欲しい。

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