2015年12月3日木曜日

スー・チーさん率いるNLD新政権がミャンマーの民主化に成功するか

スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)新政権はミャンマーの民主化に成功するかと問われれば答えは「NO」ではないだろうか。確固たる支援組織もなくスー・チーさんフィーバーで上下両院の過半数を獲得し、すんなり政権交代できたとしても多くの国民が満足する政治は出来ないのではないか。

2011年の民政移管後初めての総選挙で勝利し、現テイン・セイン大統領に代わって来年3月にNLD新政権が発足することになり、スー・チーさんは円滑な交代に向け現大統領、国軍のミン・アウン・フライン司令官らと会談していることが報道されている。

長く政権を担い、おまけに連邦議会の1/4を軍人枠として確保している国軍は利得権益者として利権に反する政策には抵抗するだろう。

スー・チーさんにはNLDのトップでありながら大統領の資格がNく、大統領に担ぐには憲法改正が必要になってくる。

そこでスー・チーさんは新政権では「大統領よりも上に立つ」と公言している(何回もテレビで主張しているが、一回の映像を何回もテレビが放映しているのかもしれない)。

これはまずい構図だ。新政権のトップに誰が立つのか知らないが、閣僚には少数民族の代表や国の利益になる人を含めるというから行政経験のない烏合の衆になりスー・チーさんと新しい大統領の権力の二重構造になるはずだ。

政権が打ち出す政策にスー・チーさん側がクレームを付けゴタゴタすることは目に見えている。

我が国の民主党政権を見れば分かる。スー・チーさんが小沢一郎さん、新しい大統領が菅直人さんと見れば良い。小沢さんは自民党を飛び出して以来、政権に批判的発言をし選挙制度改革までして自民党に変わって政権交代をやり遂げた。一方菅さんは市民運動家出身で新風を吹き込むかと期待されたが、最後は犬猿の仲になり菅さんは小沢さんに「しばらく静かにしていてほしい」と発言したことで内閣支持率を上げたことがある。

憲法を改正しスー・チーさんが大統領になる可能性を現実化したいだろうがハードルは高い。本当に民主化政治を望むのであればスー・チーさんはしゃしゃり出ないことだ。

そして民主政治を達成しようとするスー・チーさんに日本の政治家、企業家も好意を持っているようだが、スー・チーさんが日本にどういう感情を持っているのかしっかり検証すべきではないか。以前ミャンマー通と言われる人(?)が、「目前では日本に好意的姿勢を示すが裏では「あの日本が・・」と敵対的発言をした」とコメントしているのを何かで読んだことがある。


特に途上国の民主化運動家には注意が必要だ。

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