2016年1月12日火曜日

日本の地質学に金字塔:N,S極逆転の地質・千葉セクションに「チバニアン」

千葉セクションの現場 市原市田淵の養老川河川
2016.1.11
地磁気のN,S極逆転は過去に何回も起こったと言うが、最後の逆転は77万年前と言うことが分かる地質が市原市田淵の養老川の川岸にあり、「更新世」前期、中期の境目にあたり、代表する地質「国際標準模式地」の候補にイタリアで2カ所、我が国で市原があがっており、「チバニアン」という名称で国際学会に申請すると言い、実現すれば我が国地質学の金字塔になると注目されている。

地球もこれから大変だ。地球の自転がなくなりひっくり返る可能性もあるというし、今回のように今までのN極、S極が逆転する可能性もあるのだ。体内に磁石をもち巣や生地に帰る時に地磁気を利用しているハチ、ハト、大海を遊泳しているサケ、イルカなどどうなるのか。今一番利用されているカーナビはひっくり返るのか。

その磁極逆転現象も19世紀末にフランス人が岩石で発見したが日本では1929年に松山さんという研究者が磁化測定していたが、逆転する説と逆転しない説が論争し、地磁気逆転が確立したのは1960年と言うからまだ新しい。

私が興味を持ったのは2002年に出版された「地磁気逆転X年」(細川秀夫薯、岩波ジュニア新書 2002.5)を読んでからだから14年前だ。すっかり忘れていたが最近新聞、テレビで話題になっているのであらためて読んでみた。

いつかは現場に行ってみたいと思っていたが、千葉での墓参のついでに九十九里で浜焼きを食べている途中で行ってみようと思いついたが場所が思い出せない。地図を眺めても分からない。そのうちにツアー客が入ってきたので添乗員の人に聞いてみたが分からない。諦めていたら添乗員さんがスマホで検索した結果を見せてくれ取り敢えず小湊鐵道の月崎駅に行けば良いことが分かった。

1時間ほどかけて月崎駅に着いたが無人駅、ハイキング姿の人が多く集まっていた。駅前に建てられた案内図を見ても分からないので駅の向かいのお店屋さんで聞くと詳しく教えてくれた。田淵の公民館に行けば良いのだ。

公民館の入り口に古関東深海盆ジオパーク推進協議会と町内会が維持管理をやっているのだろう。英文の資料と1975年の地質学雑誌の関連邦文が展示されていた。地質の見える川岸までは酷い道を下りていく。川岸についても足元は滑りやすく酷い。「良くこんなところに」と思うが認定されても維持管理の大変さがうかがえる。

急斜面に人間が歩ける程度の道が出来、斜面には緑、赤、黄色などの小さな杭がたくさん打ち込まれていた。説明標識に「長野県古御岳火山が77万年前に噴火、火山灰が堆積して火山灰層が形成されたようだ。「白尾凝灰岩層(Byk―E)」の表示が有り、これが堆積したときは極は今とは逆だった」と言う。

上の地層からByk-B,C,Eと表示されているから赤い杭が打ち込んでいる層がByk-Eなのだろう。もうチョット説明が必要と思うが度素人の行くところではないのか。

駅前のお店の人が言っていたが、夏には学生や研究者が多く来るという。

「地磁気逆転X年」を読み返してみた。

地磁気が逆転するからと言って一度に逆になるのではなく、房総半島では300年という期間に方向が反対になったようだ。生物種に変化はなかったようだが、宇宙線が増えることによる影響は避けられない。

どうして地磁気の方向が刻まれるのか。600度以上では磁性は示さないが600度で磁性方向がふらつき、550度から400度で周りの磁場によりどちらかの方向を示すことになるようだ。

火山が噴火して流れ出る溶岩は高温の時は磁場は示さないが、400度に冷えると周りの磁場でN、S極の方向が決まるのだ。この市原市田淵の地層は77万年前に逆転し今のN、S極の方向になったのだ。

では、これからどうなるのか。

地磁気の強度が弱くなっているので宇宙線の侵入が多くなり身体、電子機器に多くの障害が出てくるだろう。そして77万年間今の地磁気が続いているので、これから数千年から1万年後に現在の地磁気とは逆の磁場になる可能性は70%だと言う(地磁気逆転X年)。


ゆっくり数百年かかって逆転するのだから修正が加えられ生活に支障はないのだろう。

現場説明板

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