2017年12月9日土曜日

現実問題としてポスト安倍は安倍さんか、岸田さん、石破さんはどうなのか


森友、加計学園疑惑で国会会期、党首討論も避けようとする安倍総理なのに、現実問題としてポスト安倍は安倍さんなのか。それとも岸田さん、石破さんに可能性はあるのか。いま、安倍政権の保守系右より政治に嫌けを刺している国民が多いはずで保守系リベラルが望まれている。野党も「宏池会」を目指しているようだが自民党だって本音はそうではないのか。

安倍さんの何処が良いのか。

世論調査でも政権を支持する理由として、「安倍さんだから」ではなく「他よりマシ」のほうが高い率だ。今は支持率も戻しているが政権の不支持は本来は政策に起因するが、安倍総理の場合は自らの言動にある。

森友、加計学園疑惑は長年の友人に利権を与える依怙贔屓かつ忖度政治で戦略特区構想なんてとんでもない代物だ。官僚を巻き込んだ利権誘導政治に自民党は責任を追及しないのか。

これが要因で、国会会期、党首討論などが影響している。安倍総理に質問が集中するのを極度に嫌っているのだ。国民には「丁寧な説明」というが国民は誰も納得していない。自民党内でも追求する声はあるが小さすぎる。

安倍総理は何時も「日本の経済を立て直す」という。「経済成長第一」と言うが、そのエンジンは破綻しかけているアベノミクスだ。「アベノミクスのエンジンをフル回転する」というのだ。

ところが異次元の量的緩和での期待感は市場には上がらなくなった。寧ろ世界各国の中央銀行が緩和縮小に向かっているのに日銀だけは緩和策継続だ。安倍総理が「2%物価目標」を重要課題にしているので日銀は出口戦略を言いにくくなっている。

日銀が出口戦略を言い出したときは長期金利上昇、国債下落で財政破綻、日銀経営悪化が心配されている。

安倍総理がアベノミクスを見直さなければ日本の危機は回避できない。アベノミクスの推進者である浜田先生が「アベノミクスは雇用が良くなればそれで良い」と言い出した。さじを投げたのだ。

日本経済を成長路線に向かわせるには賃上げで家計に可処分所得を増やす必要がある。安倍総理は3%の賃上げを経済界に要望し、経団連も応じている。あの日銀の黒田総裁だって異次元の金融緩和での時間稼ぎには限界を感じたのか賃上げに度々言及している。

政治生命をかける憲法9条改正も自民党内にも異論がある。公明党も「急がない」と言っていた。2020年までに国民投票し改正が出来るのか。安倍さんの本音は内容よりも「自分が最初に改正した」という実績だけではないか。そうなら失敗すれば「やっぱり難しかった」ということになる。

安倍総理の内政には問題が多いが、外交では評価(?)される傾向にある。

皮肉なことに北朝鮮が挑発行為を続ければ「さらなる圧力」を訴える安倍総理の支持を上げることになる。そして役に立つかどうか分からない高額な兵器を米国から購入しなければならない「国難」になる。

しかし、トランプ大統領にべったりの外交は難しくなって来た。エルサレム問題でトランプ大統領は世界の混乱に拍車をかけることになったのだ。今までトランプ大統領をリード(?)して来た北朝鮮問題もそれどころではなくなってきた。

国会審議を減らしてまで外交優先の政治姿勢だが、本当に成果が上がっているのか。経済支援を土産に訪問すればどの国だって歓迎する。費用vs効果だ。

一方、ポスト安倍と言われている岸田さん、石破さんはどうしているのか。立場上余り目立つことはないが。

岸田さんは安倍総理からの禅譲を狙ってYESMANの立場をとってきたが政界での約束は反故にされても仕方ないことだ。

代表質問では二階幹事長に代わって岸田政調会長が登壇した。自分の旗印を鮮明にしたとは言いがたい。2%物価目標、脱インフレ、量的緩和、憲法改正など安倍総理との違いをどう表すか。出身は宏池会だ。保守系リベラルは野党も狙っている。
違いを鮮明にし国民に訴えられるか。

石破さんは自民党に対しても歯切れの良い発言をしている。反安倍として心地よさを感じるが、いかにせん自民党内で味方が少ない。石破派は19人で総裁選出馬の推薦人にもみたない。どうしても派外からの応援が必要になるが自民党内での評判はよくない。

この機を逸しては「万年総裁候補」で終わるか。

野党がだらしないから安倍政権も安泰なのだが気がつけば「腐った自民党政権」になってしまいかねない。

そんな日本政治を作ったのは国民であることを忘れてはいけない。


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