2019年1月14日月曜日

首都直下、南海トラフ巨大地震 揺らぐ定説、願わくは「ゆるりとまいれ!」

気象庁最近の地震情報に海溝型など記入

首都直下、南海トラフ巨大地震は何時? なかなか来ないので揺れる定説、しかし繰り返し必ず来るのだ。だったら「ゆっくりまいれ!」。専門家は早ければ「今年でしょッ」と言うが、想定震源域周辺では心配な動きも出て来ている。

相模トラフ沿いでM8級地震が30年以内に発生する確率は最大で5%、駿河湾から日向灘にかけて南海トラフ巨大地震震源域のどこかでM8~9クラスが30年以内に発生する確率は70%と算出されている。

3.11東北地方太平洋沖地震以降、日本の地下はひずみが貯まり何時、どこで大きな地震が発生するか分からない。専門家が指摘する震源域ではない場所で頻発している。本震だと思っていた地震が本当は前震で2番目に大きな本震がやって来た熊本地震がそうだったし、千島海溝沿い地震が切迫していると指摘されていたが、場所がチョット違うが北海道胆振東部地震が発生、札幌で液状化、北海道全域にブラックアウトが発生した。

案の定、今年に入って日本で発生した地震の状況を気象庁の地震情報でひろってみると、1日、石垣島近海、4日相模湾、沖縄本島近海、5日トカラ列島近海、6日熊本地方、小笠原諸島、7日、神奈川県西部、浦河、千葉県南部、8日、奄美大島近海、種子島近海、9日、種子島近海、熊本地震、10日西表島、埼玉県年部、11日静岡県西部などが注目される。

気象庁 地震情報

何やら南海トラフ、南西諸島海溝沿い、相模トラフなど一旦発生すると甚大な被害を及ぼす震源域付近で多発しているのだ。

巨大地震発生にはそれぞれ理由がある。

南海トラフ巨大地震の発生メカニズムは、陸側プレート(ユーラシアプレート)の下に海側プレート(フィッリッピン海プレート)が年間5~6cm沈む込み、それに伴い陸側に歪みが貯まり、滑りが発生ひずみが発生するが、別の所では歪むが貯まる事を繰り返し地震/津波の発生を繰り返す。
だから巨大地震には発生周期があるのだ。現在の天変地異は9世紀の天変地異に酷似している事から京大鎌田先生は2020年に首都直下地震の発生を予測している(テレビ朝日 「緊急取材 「首都直下の可能性」 2019.12.31」。

テレビ朝日 緊急取材 首都直下の可能性

テレビ朝日緊急取材によると、今世紀の天変地異は貞観地震が発生した9世紀の天変地異に酷似していると言う。9世紀、863年に越中・越後地震発生、6年後の869年に貞観地震その9年後の876年に相模・武蔵地震が発生している。それと対応するのが2004年に中越地震、その6年後の2011年に東北地方太平洋沖地震、そして9年後となると2020年で首都圏で巨大地震か。

又、貞観地震(869年)の1142年後に東北地方太平洋沖地震(2011年)が発生、そうすると相模・武蔵地震(876年)の1142年に首都圏で地震発生となる。それが2020年なのだ。

これはあくまでも巨大地震が決められた周期で繰り返し発生するという仮説に則っている。大きな地震が発生した後年々ひずみが貯まり、また地震が発生する繰り返しだ。

首都直下地震は何時発生しても不思議ではない時期に来ているのだ。

更に巨大地震、巨大津波の被害が心配されている南海トラフ巨大地震を見てみよう。100~150年周期が言われ、東海地震は既に160年経過しているが未だ発生していない。浜岡原発も震源域ど真ん中にあるために難しい対応を迫られている。何故、遅れているのか。否、すでに起きているのか。観測網も整備され万一発生するとなると貴重な資料が手に入るはずなのだが。

ところが2012年に東大地震研の瀬野先生が、今まで南海トラフ関連で発生した13の巨大地震の地震の揺れ、津波、地殻変動を再検討し、安政型地震と宝永型地震の2つに分類した。この2つの型が交互に発生するというのだ。その研究の結果、次に発生するのは安政型地震で周期は400年と言われているので次の巨大地震は200~300年ごと見ている。

安政型地震は前回1854年に発生しているので200年後というと2254年となり、まだまだ先のことになる。

朝日新聞 2013.7.18

一方、周期的に発生するとばかり考えて対応していると失敗する。問題は「ひずみ」の蓄積状況で、地盤は沈降したり、隆起したりしている。その差が4cm以上になると警戒を要すると警告するのが東大名誉教授で測量学の世界的権威である村井先生だ。

考え方は理にかなっている。今まで専門家の間では批判的見方が強かったが、今、GPSを管理している国土交通省も地殻変動測定を地震予知に活かそうと研究を始めた。

最近ではMEGA地震予測が緊急警戒宣言! 「南関東大激震につながるこれだけの理由」(週刊ポスト2019.1.18/25)で「異常変動全国MAP19」で警戒ゾーンを発表している。

週刊ポスト 2019.1.18

危険度1位は東京、神奈川、静岡東部が最警戒の「首都圏、東海ゾーン」という。南海・東南海ゾーンと同時期に連動する地表の動きが見られるというのだ。南関東、南海、東南海で一斉に異常変動、伊豆諸島、伊豆半島、紀伊半島、四国も異常変動が起き、注意すべきはその後「静穏」状態が続いているのだ。地震リスクが高まっているという。

更に今年に入って南西諸島海溝周辺の奄美大島、種子島、屋久島でも地震が多発しているが、MEGAでは一斉異常変動とともに今、「静穏」状態なのだ。依然としてひずみは大きいという。

もう一つは「ゆっくり地震」だ。「スロースリップ」とも言う。

固着域が一気に剥がれて巨大地震になるのではなく、ゆっくり感じることも出来ない動きでひずみが解消するのは理想ではないかと思っておたが間違いだった。

3.11東北地方太平洋沖地震は北海道の方から「ゆっくり地震」が降りてきてそれが止まったところがあの巨大地震の震源域になったのだ。それ以降「ゆっくり地震」には注目だ。

房総半島沖には東北地方太平洋沖地震の南の割れ残り部分が有り、警戒を要する。三重県沖では陸側のひずみが解消しているが周辺はひずみが貯まっている。富士川河口の断層帯も注意だ。一時ゆっくり地震がとまり注目されたが、未だ大きな変かはない。日本の物流の大動脈であるために被害は甚大である。

結論はどうなるか。

直ぐにでも来ると思っていた南海トラフ巨大地震はまだ200年ほど先、その前に首都直下地震、歪みの貯まっている地域の内陸部地震の多発だ。

南海トラフ巨大地震への取り組みは国も困っているようだ。

地震調査研究推進本部は、海溝型地震の発生確率を4ランクに見直した。X,Ⅰ~Ⅲで、Xは確率不明 南西諸島、Ⅰは30年以内の発生確率が3%未満、Ⅱは3~26% 関東、Ⅲは26%以上 千島海溝、南海トラフ、日本海溝、房総沖が該当する。従来の数値での表示では低い数値だと「地震は来ない」と誤解が湧くのを防止するというのだ。

又、日本防災会議は前兆現象が認められると気象庁が「臨時情報」を流し域内の被災していない地域にも「避難」を促すことになった。

「南海トラフ地震よ ゆっくり来たれ!」、その間に私達は被害を最小限にするための知恵を出し合うのだ。

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2019.12.31掲載
2019? 2020年? :テレビ朝日 「緊急取材「首都直下地震の可能性」

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