2019年5月14日火曜日

「維新の会」丸山議員の「戦争」発言を考える:戦争放棄、戦力不所持が弱腰外交になっていないか


戦争は勿論、現憲法で否定されていることを全世界の人が日本を理解する一つの基準となっているが、「戦争しない国」、「自己の抑止力のない国」が外交上の弱腰になっていないか。そのためにカネだけせびられる悲しい運命なのだ。

北方領土国後島ビザなし訪問で日本維新の会で沖縄北方問題特別委員の丸山議員が宿泊先で訪問団長に「戦争しないとどうしようもないではないですか」と発言したことが大きな問題になっている。

テレビの情報番組でそのことが詳細に報じられているが「何かしっくりいかない」感じだ。当初は謝罪せず自己の主張を正当化していた丸山議員だが、今日になって謝罪し撤回すると言い出した。何があったのか知らないが、日本維新の会から指示があったのだろう。

今時「戦争」という言葉を国会議員から聞くことは極めて珍しいことで日本国憲法からしても戦争放棄、戦力不所持を謳っている。35歳で東大卒の丸山議員にそんなことがわからないはずはない。酒の席での話と言うが背後には本音がちらつく。

特に北方4島返還問題ではロシア側が「北方領土が合法的にロシア領になった」ことを日本が認めるように河野外相とラブロフ外相会談でロシアが迫ったという。

私達が知っているのは「ロシアが非合法」で占領した事実だけだ。歴史的事実を歪曲化して主張するロシアを到底受け入れられない。

ロシアは日本を戦力は持たず、戦争のできない国と甘く見て最後はカネだけをせびる戦略なのだ。

中国の尖閣諸島領海侵犯問題、韓国の竹島問題しかりだ。中国や韓国は軍隊を使って挑発、占領してくる。それを口先だけ、外交ルートを使っての抗議などなんとも思っていないのだ。

逆に日本が自衛艦、自衛隊機を展開しようものなら大騒ぎする。日本が憲法9条、自衛隊の存在を何とかしようとすると第2次世界大戦の再来と騒ぐ。その都度日本は何もできないでいる。

為政者であれば日本国民の領土、財産、安全を守るためには「強い抑止力」が必要になるが現憲法では無理、そうなると日米安保条約での在日米軍の抑止力に頼るしかないのだ。そのために安倍総理は頻繁にトランプ詣でを繰り返し、お土産は巨額な軍備購入になる。

米国、中国、ロシア、そして北朝鮮まで軍事力をちらつかせ主導権争いを繰り広げている。そんな世界紛争の下で日本は「カネ」で何とかしようとする。

今の時代「戦争は批判の的」になる。でも抑止力は必要なのだ。「軍隊を持つ」ということは「いつでも戦争できる」こと、これが国土を守る抑止力になっている。日本にはそれがないので独自の外交ができない。

でもいつまでも米軍に頼っているわけにはいかない。23年ほど前に米国で在沖縄海兵隊の位置づけが問題になった時、海兵隊維持のためには在沖縄海兵隊は重要であるが、自衛隊と共同訓練などを繰り返し、いつかは自衛隊に置き換わるという考えがあったそうだ。

安倍総理は憲法改正で9条の12項を維持し自衛隊を明記したいという。そうすれば自衛隊違憲論も封じることができると安易に考えている。

基本的には諸外国と対等に渡り合うための「抑止力」をどう確保するかだ。「日本も自国のために、やるときはやるぞ」というメッセージが必要だ。そのために抑止力をどうするか真剣に検討すべきではないか。

日本維新の会の丸山議員の発言を聞き、1人の謝罪で終わってはいけないと感じた。 


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