G7の次期議長国であるトランプ大統領が自らの威信にかけ「正常化しつつあること」を世界に訴えるために6月末にワシントンでの開催をメンバー国に打診したことは新聞報道で知っていたが、ドイツのメルケル首相が辞退することを海外メデイアが伝えていると産経新聞WEB版で知った。
その理由に「現在の感染状況ではワシントンに渡航しサミットに参加することに同意できない」と言うのだ。当然の理由だと思う。テレビ会談などいくらでも方法はある。各国とも新型コロナウィルス感染拡大阻止に取り組んでいる状況下では無理な話だ。
議長であるトランプ大統領はテレビ会談ではなく、一堂に顔を合わせての議論が必要と言う。
トランプ大統領にしてみれば、大統領選を控え、新型コロナウィルス対応でしっかりやっていることを見せつけたいのだろうが、その原因、初動ミス、情報公開をめぐって中国と係争中で損害賠償請求の可能性も出てきたようだ。国内ではいまだ収束していないのに各国共に経済再開で回復に向けての動きが強い。さらに中国とは台湾、香港が大きな問題になっている。民主主義、自由主義を守るためにも今分岐点にあるようだ。中国寄りと言われているWHOの改革問題も当然に出てくるだろう。
メルケル首相としては、トランプ大統領の都合でこういった問題に巻き込まれるのは避けたいだろう。
一方、日本はどうか。安倍総理は「要請されれば行かざるを得ないだろう」と言っていたが、別の問題もある。6月に延長せず国会を閉める意向のようだが、自らにかかる不祥事、黒川問題、検察庁法改正問題など野党からの追及に手は緩んでいない。新型コロナウィルスでの事業、生活支援のゴタゴタもあって安倍内閣の求心力は落ち危険水域に入っている。
この時期に国内にいないということは「逃げた」とみられてもい仕方ないのだ。
一方で、1.5か月の短時間に一応の収束策を急ぎ、経済再開に向け進んでいるのは世界に「日本モデル」の成功を示したい意向もあるのだろう。東京オリンピックも来年までに状況が変わらなければ「先送りなし、中止」という話も出て来ている。さらに参加してもトランプ大統領の主導方針に追随することは日本の外交にとっても難しい選択になる。
イタリアも財政危機で中国の経済支援に軸足を置いている。中国の批判は出来ないだろう。
イギリス、フランス、カナダのリーダーはどうか。しばらくは様子見と言うことか。
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