2012年7月24日火曜日

「消費税増税待ったなし」の総理の気持ちが国民に伝わっていない?


24日の参院予算委員会で、消費税増税の「待ったなし」という野田総理の気持ちが国民に伝わっていないのではないかという質問が、民主党川崎議員から発せられた。先日は民主党を離党したばかりの新党「国民の生活が第一」の中村議員が「何故、今消費税増税か」と野田総理を追求したばかりだ。

民主党議員を始め、国会議員の中にも「待ったなし」と急ぐ野田総理に疑問を感じている議員は多いようだ。

この「国民に総理の気持ちが伝わっていないのではないか、もっと丁寧に説明を」という質問に、野田総理は次のように答えた。

曰く「財政だけでなく、一体改革、特に社会保障で困った時に出番となる皆保険など日本の素晴らしい制度がスタートし、持続可能にすべきだが、ここに来て少子高齢化が進み、時期的変化もあって、放置すれば持続可能性が不可能になる。給付、負担を考えれば消費税増税が必要だが、財政規律も考えると安定財源として消費税増税になる。増税は切ないが社会保障を支えるためだ」という趣旨の答弁を行った。

さらに、川崎議員は、「これが国民のための改革なのか」と、先に発表された大和総研の2016年にどのくらいの可処分所得の減額になるかの資料を掲げて質問した。

野田総理は、負担分だけ考えるのではなく、消費税増税分は社会保障に充てるので、負担より受益の方が多くなるはずだ。官の肥大には使わないという。

だとしたら、大和総研の可処分所得の減額予想に対して、受益分がどうなるのか。数値で示してほしい。

また、関連法案付則18条では、増税で浮いた分を防災、減災の公共事業に充てる動きも出ている。選挙を控えての人気取りだ。野田総理はどう考えているのか。

そして更に不思議なのは、野田政権がそれほど「待ったなし」と言っているのに、何故自民党がお盆までに早期に採決を主張しているのに、民主党は早期採決に慎重な姿勢を示しているのか。

早期に採決すれば、民主党は党内が割れ、更には内閣不信任決議案、問責決議案などの提出もあり、政局は混乱してくる。民主党は党の混乱を回避するためだけの姑息な手を考えているのだろう。

1票の格差」問題もあるが、口先では「待ったなし」と言いながら政局では「待ったあり」では国民の理解など得られるはずがない。

0 件のコメント: