2012年7月19日木曜日

今の消費税増税に正当性があるか・・参院特別委員会審議より

今の消費税増税に正当性はあるか。19日の参院特別委員会のNHK国会中継で民主党を離党したばかりの「国民の生活が第一」党の中村議員が質問に立ち、「選挙後に議論してもよいのではないか」、「2009年のマニフェストで約束していない増税をやる正当性があるのか」と安住財務相と論戦を繰り広げた。

私も「今、増税しなければならない理由がわからないし、選挙で国民の信を問うてからでも遅くはないのでは」という趣旨の記事を載せたこともあり、久しぶりに聞く耳をたてた。

選挙と増税をからませて議論することはよくないが、「選挙後に増税を議論してもいいのではないか。今やる正当性、妥当性はあるのか」との質問に安住財務相は、先の衆院での採決で75%の議員が認識を共有しているし、自公政権時の所得税改正法付則104条に基づく増税であることを主張した。

そして、いずれ国民の審判を受けることになるが、3党合意は大きな成果だとも言う。

でも今は、成長戦略をとり、デフレを脱却し、成長路線に持っていかなければならない時で、増税の時期、順番が違う。ブレーキとアクセルの踏み方が違うと主張し、2009年に約束しないことを今どうしてやるのか。その正当性が分からないと中村議員は挑む。

更に、本当に財政危機なのか。為替デイーラーに聞くと、「緊急性はない」という。いつまで財務省の路線を踏襲するのか、財務省の考え方を変えるのが民主党政権ではなかったのかと畳み掛ける。

逆に安住財務相は、「メデイアは増税を是認しているではないか」と反論した。

19日の午前中の審議でも日本の国家財政の現状について論戦が張られたが、安住財務相は、従来からの財務省の考えを繰り返すばかりだ。

新聞だって、確かに増税のキャンペーンを張っているが、財務省に増税論調を強制されているし、新聞は何故か軽減税率の適用を要望している。理由は公器だからという。

今の新聞に消費税増税でバランスのとれた報道など期待できない。

結局、本当に財政危機なのか、今やらなければならないほど緊急性があるのか、選挙後にしっかり議論しても遅くはないのではないかなどの疑問に納得のいく説明は安住財務相からはなかった。

最後に野田総理も感想を聞かれたが、新成長戦略とデフレ脱却は同時にやらなければならず、財政再建がブレーキではない。財政を考えずに政治をやってきた結果が、今の状況なのだと増税の正当性を主張した。

今国会中継が面白い。今になって初めて本質論での議論になってきた。




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