2012年7月12日木曜日

消費税増税法案付則18条:見えてきた増税の騙しのテクニック


「先伸ばしできない、待ったなし」と野田総理が国民に訴えていた消費税増税も民・自・公の3党合意で前に進むかに見えたが、案の定国会議員、財務省の騙しのテクニックが使われていたのだ。法案の付則という姑息な手段を使った消費税増税の本音が見えてきた。

朝日新聞(2012.7.12)によると民・自・公の修正合意の際に自民、公明の要望で景気対策の項目が追加されたという。

それによると、「附則182項」に、「財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略並びに事前防災、減災などに資する分野に資金を重点的に配分する」と記されているのだ。

要は、消費税増税で予算編成に自由度が増す分、公共事業に支出しようという。赤字国債を発行せずに財源が確保できるというのだ。この条項があるのは知っていたが、無意味な人気取りのバラマキ予算に使ってはまずい。

自民党は国土強靭化基本法案などで今後200兆円の支出を目論んでいる。

財政再建のための緊縮政策では景気後退の懸念もある。また消費税10%でもプライマリー・バランスは改善しない。15%は必要と言うから消費税増税は切りがないのだ。

そこで経済成長路線が要求されるようになり、財政出動が必要になってくる。選挙も控えて自民党、公明党は人気取り政策が必要なわけだ。民主党だって今、成長路線に踏み込もうとしている。

しかし、これでは野田総理や安住財務相が国会審議で「増税分は社会保障に充てるから心配ない」と言ったことを鵜呑みにしてはいけないのだ。

この3党の騙しのテクニックを見ると、足尾鉱毒事件で被害者の側に立って奔走した田中正造翁が言った「国民が監督を怠れば、為政者は盗人になる」という意味がよく理解できる。100年以上前に言ったことだが、今も十分に当てはまっている。

「もっと前にやるべきことがある」「国民の生活が第一」と言って民主党を離党した小沢元代表グループの方が、まだまともだと思わないか。

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