「中選挙区では難問にもモノが いえた」と言う河野前衆議院議長 2012.7.29 読売新聞 「語る 小選挙区制で政治劣化」 |
政治の多様化に答えるためにも、小選挙区制から中選挙区制への再改正が必要ではないか。「1票の格差」問題が最高裁で指摘され、次に衆院選に向け選挙制度の改正が急がれているが、如何にせん政党が提案する改革だから党利党略に走り決まりそうにない。特に比例区に重きを置く政党では死活問題にもなる。
そんな時、細川政権で小選挙区制導入時、野党自民党の総裁だった河野前衆院議長が讀賣新聞(2012.7.29)のインタビュー記事「語る、小選挙区制で政治劣化」で多様な意見を反映させるにも今の制度は変えるべきだと主張した。
小選挙区制では、少数意見が死票になる可能性があり、多数派がサッと決められる仕組みにしながら、「決められない政治になっている」と皮肉る。
以前の中選挙区制では難問にもモノを言えたという。
河野さんが、政治改革で理想を求めて小選挙区制に改革したが、理想とはかけ離れた改革だったと述懐しているのは、最近ではこれで2度目だ。
衆院小選挙区比例代表並立制度導入時、自民党も政治改革を巡って離党者続出の危機にあったという。「政治とカネ」の問題など政治改革のつもりでトップ会談に臨んだが、いつの間にか選挙制度改革にすり替わっていたことを悔やんでいた。
確かに今の選挙制度は問題が多い。
有権者の望む政策は多様化している。YESかNOだけでは有権者の民意を反映させられない。例えば原発問題でも、原発か反原発かだけではない。条件付きの容認論もあるのだ。
政権交代できる2大政党制では、どうしてもポピュリズムに走りやすい。郵政民営化での小泉劇場、「政権交代してみませんか」での民主党政権、賛成、反対の民意を問うとして刺客騒動まで起きた。今、消費税増税で反対し離党、新党結成した議員の選挙区に刺客を送ろうとしている。
知名度があり、選挙資金も少なくて済むスポーツ選手、タレント、テレビでのキャスターなどが重用され、小泉チルドレン、小沢チルドレンと呼ばれるような人物が多数を占め、その結果政治は劣化した。郵政民営化、民主党政権の今を考えれば、その弊害は明白だ。
地方区で有権者の支持が得られなかった候補者が比例区で復活することも不思議な選挙制度だ。何故、落としたのかわからなくなる。
各種メデイアの世論調査で共通しているのは、無党派層が50%以上を占めていることだ。特に若者の選挙離れが激しいという。
以前、若者へのアンケート調査では、「政治に参加する場が少ない」のが原因だという。選挙しか参加する場がないのだ。その選挙もYESかNOだけでは選択肢が狭すぎる。
選択肢の狭い小選挙区制から選択肢を広げられる中選挙区への再改正が必要ではなかろうか。
「党議拘束がかかっているから」という理由だけで、採決に賛成し、反対なら処分されることの是非も問われる。今の民主党にあってメデイアはこぞって反対者、造反者を処分せよというが、反対意見を蔑にするお粗末な論調ではないか。
党議拘束で拘束しなければならない政策課題こそ民意を反映しているのだろうか。国民に民意、信を問わず、難題に挑戦する野田政権は小選挙区制の弊害から出てきた圧倒的多数の議席に無理に頼ろうとしているのではないか。
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