3党合意で「決められる政治」が進むのか。野田総理が「政治生命をかける」と背水の陣で取り組む社会保障と税の一体改革、消費税増税関連法案も政策を同じくする自民党、公明党との3党協議を経て修正3党合意が成立し、国会審議では与野党議員も発議発案者として答弁に立っている。
ところで3党合意で「決められる政治」が進むのか。
早速、政権与党である民主党から消費税増税採決で3党合意に反する造反者が続出し、今でもポロポロ離党者が続き、しかも今まで使っていたキャッチフレーズである「国民のための生活が第一」も小沢グループの離党、新党結成で持って行かれた。参院特別委員会の審議でも自民党議員などから「何とかしろ」と野田総理のガバナビリテイーを追及する声が上がっている。
しかも、この3党合意も参院審議で修正もあり得ると野田総理が発言したニュースが流れて、野田総理は内容はどうでもよく、一体改革という名の法案が成立すればいいと考えているのかと疑問が湧いてきた。
案の定、19日の参院の特別委員会の国会中継で、そのことを聞かれ、野田総理は「まだ気が付かなかったことも出てくるだろう。そういうときには修正も考える」という意味の弁解をしていた。
3党合意も政党によっていろいろ思惑があるようだ。
質問に立った「たちあがれ日本」の片山議員は、民主政治から考えると3党合意のような政党政治には賛成できないという。二院制で熟議のプロセスを確保しなければならないと意味の主張をしていた。
自民党の野田議員は、発議者として財政再建、消費税増税の重要性を考え、3党協議に参加し合意案を発議した。今後は解散・総選挙で新しい政権を選び進めるべきだという意味の答弁をし、自民党の主張している「早期解散・総選挙」を訴えた。
片山議員は、スケジュール的には、今が解散・総選挙のチャンスと野田総理に畳み掛けたが、野田総理は「やるべきことをやった後で」と従来の考えを繰り返すが、片山議員は「欲深い」と批判した。
公明党議員も3党合意では「重い決断をした」ことと強調し、附則第18条2項の実施を要求した。
3党合意で一体改革も前に進むかと思っていたが、消費税増税が絡んでくると、議員の個別事情が絡んできてゴタゴタし、政権与党の民主党は末期症状と揶揄され、「政治機能不全」と見られてもおかしくないが、市場はまだそこまで行っていないようだ。
野田総理は「決められる政治」で海外のメデイアには評価がいいし、日本のメデイアも一体改革、消費税増税、3党合意を後押しするが永田町はどうなっているのか。
3党合意に頼っていると民主政治を歪めることになるし、国会審議での政策論争に支障をきたすのではないか。
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