2016年4月30日土曜日

LDLコレステロール:人呼んで悪玉コレステロールと言うが、その正体は

誰が言いはじめたか知らないが、ほとんどの医者、医療関係者がLDLコレステロールを悪玉コレステロールと呼ぶが、その本当の正体は何なのか。細胞膜、神経、ホルモンの必要不可欠な材料であるし、高い値は心筋梗塞などのリスクが高いと言うが、寧ろ低い値の方が危険ともいう。

コレステロールの基準値では米国や日本人間ドック学会が発表した値と現行の判断基準値との違いが大きく、検診を受ける国民を惑わす結果になっている。

我が国の基準としては、60~119mg/dlがあるが、何故か分析機関によって正常値の範囲が70~139,50~139と少し違うが、上限は同じだ。

ところが、米国は、LDLコレステロールを下げても心筋梗塞などの疾患を治療、改善させる根拠はないと基準値を撤廃したそうだ。

又、食事によってコントロールは出来ないとも言う。体内で80%が作られ、食事は20%が寄与するらしい。

一方、 日本人間ドック学会、健康保険組合連合会が2014年4月に統一的な健康の基準を発表した。超健康な人の95%が入る検査結果だと言う。

それによると、LDLコレステロール値は男が72~178mg/dl、女性が(61~84)mg/dl~(152~190)mg/dlで年代によって差がある。現在の基準値が60~119mg/dlだとすると治療の必要でない人に高脂血薬を投与していることになる。

ところが従来の基準値を遵守する専門医は、高いと心臓病、脳卒中の原因になり、今は健康でも数値の高い人が10年後にも健康であるとは限らないと反論する。誤解を与え、国民の健康に悪影響だというのだ。

一方で、東海大学の大櫛先生は、低い方がリスクが高いと警告する。

疫学者や薬学者、栄養学者などで構成される日本脂質栄養学会は、コレステロール値が高い群ほど癌や脳卒中、全死因による死亡率が低いと指摘する(週刊ポスト)。コレステロール値は高い方が低い方よりリスクが低いと言う主張は理解出来る。

だからかどうかは分からないがコレステロールについては、別に判断基準がある。

現行のLDLコレステロール値上限の119mg/dl内であってもLDL/HDLが2未満であれば問題ないが、2.5を越えるとリスクが高まると注意を促している。では、上限値の119mg/dlを超えても2未満であれば問題ないのか。

又、最近新しい管理指標が示された。

nonHDL―Cだ。これはTC―HDLの値でLDL+30未満かどうかが管理目標値だというのだ。私に場合、TC:271mg/dl、HDL-C:74mg/dl、LDL―C:172mg/dlでも管理目標値内(202)におさまる。

LDL―Cが現行基準値ではオーバーしているが、日本人間ドック学会の基準では178mg/dlはギリギリだがクリアーしている。

もう10年も高脂血薬を服用していたが4ヶ月前に止めた。服用するきっかけになったのは、地方の基幹病院の人間ドック健診で肺に影が映り内科に回されCTを撮った。結果は異常なしだったが健診結果に総コレステロールが220mg/dlを越えていたので処方され今までつづいていたのだ。専門は呼吸器系の先生だった。

薬の服用を止めて4ヶ月、別の要件で医者に行き血液検査も実施することになった。その結果、LDL―Cが172mg/dlだった。このまま高脂血薬の服用を止めて、7月の東京都の健診で人間ドック学会の会員の医療機関で受診してみようと思う。

ところで、どうしてLDL-Cが悪玉コレステロールと言われ出したのか。

東海大学の大櫛先生によると、1913年にロシアで行われた実験で、ウサギに脂肪の多い動物性の餌を与えて血管壁にコレステロールが付着することを確かめた結果だという。この実験結果が生理学と臨床医学との対立をもたらすことになったというのだ(週刊ポスト)。

これに収益の大きい新しい高脂血薬を開発した製薬会社の思惑もあって必要ない人まで高脂血薬を服用させるようになったのだ。

基準値をオーバーすれば即投薬と判断する医者が多いが、経過観察で様子を見る事も大事ではないか。管理値の説明が出来ない内科医が多すぎる。これでは医療費が毎年上がっていくのも無理はない。


2016年4月29日金曜日

熊本地震での家屋倒壊:1階グシャリ、2階ドスンの怪

熊本地震も地震の原因から被害が注目されるようになってきたが、2回のM7を越える地震で倒壊したとはいえ、1階がグシャリ、2階がドスンの崩壊には驚くばかりだ。

平屋の古い家屋は勿論であるが、1981年以降の新耐震基準でも倒壊している事実に専門家は「耐震化の方向性が良かったのか、大変な課題を突きつけられた」と林・京大教授は言う(朝日新聞2016.4.28)。

テレビの映像を見ると、1回目のM7では外見上はしっかりしているように見えるが、2回目のM7.3で倒壊した。

原因は、1階と2階の建物内部の柱や梁の接合部が連続的な揺れで完全に抜けたという。また、基礎部分も浮いていることを考えると地質のも問題があったのだ。

首都圏でも超高層ビルが林立し、長周期の地震が発生すると震源が東京から遠く離れていてもゆっくり揺れる。こんなに揺れると「大丈夫か」と心配になるが、内部では接合部のボルトが緩んでいたり、破損していたりする危険もあるらしい。外見からは分からないので危なっかしい。

私も他人事ではない。1981年以前に家を立てたのだ。

当時はプレハブメーカーに頼むか、大工さんに頼むかのどちらかだった。私は大工さんに頼んだ。その頃は「○寸角の通し柱を○本使用している」が建物の安全の売り言葉だった。私の家も何寸か忘れたが、9本の通し柱が立つ2階建てだ。

出来るだけ壁を作ることが重要とは思っていたが、玄関は吹き抜け構造、小さい家で居間のガラス戸を大きくしたために壁が作れなかった事が心配の種だ。

16km位離れた高崎には深谷断層が走り、綾瀬川断層を加えると120kmの活断層になり、万一動けば甚大な被害が発生する。でも動いた断層からどの程度離れているか、加速度は何ガルか、地震波の入ってくる方向によっては被害も違ってくる。これだけは発生してみないと分からない。
ところで今の建物の構造はどうなっているのか。

近くでプレハブの新築が目立ってきた。通し柱らしい柱はなく、1階の上に2階を置いたような構造で、1階と2階にはつなぎ目がある。柱などの接合部だ。
そして外壁下張り材が壁面を構成し、耐震化になっているのか。通し柱は使っても良いし、使わなくても良いという基準らしい。

多くの専門家(?)は、通し柱より、壁構造を重視しているようだ。

しっかり検証し、新しい耐震基準を作るべきだが液状化などでの障害もあり、過去の土地利用も考え住宅立地も考慮すべきではないか。

それにしても、市役所や病院、学校の耐震化が遅れ復興事業に支障を来しているのは問題だ。市役所が使えなければ行政上の書類の提供が出来ず、病院が使えなければ負傷者、病人の救済に支障を来す。学校の体育館も避難所としての機能をしないことになる。

耐震化のための建て替えは贅沢と思われていたらしいが、住民の意識改革も必要だ。

今回の熊本地震も専門家は危険を指摘していたようだが、前兆なし(?)の巨大地震だったようだ。観測網の整備も遅れていたとしたら、寺田寅彦博士の「天災は忘れた頃にやってくる」事の繰り返しなのだ。

時間が経つに従い同じ場所に同じような家が建ち、町や村が復興し、また何百年か後に同じような被害を受けることになる。  


舛添・東京都知事の公用車乱用、舛添流「ルール通り」は通用しない

舛添・東京都知事の高額な海外出張に続き公用車の乱用がすっぱ抜かれた。本人は記者の前で疑惑について「ルール通りで問題ない」と言うが厚顔無恥な考えで、常識のある人間なら「程度の問題」でもある。

都知事にはろくな人間しかいない。石原さんの時は週に2回しか登庁せず、特別秘書が都政を牛耳り問題になり、辞任したことがある。

舛添さんは、毎日登庁しているようだが、毎週金曜日には湯河原の別荘に公用車で通っていたという。その費用が年間400万円にもなると言うのだ。

舛添さんの言う「ルール通り」とは、出発地が公務であれば問題ないと言うことなのだろうが、都庁から一度自宅に帰ったのであれば、そこまでが公務だ。その先は私用になり公用車の乱用ではないのか。

また、石原さんの時に問題になった知事公舎はどうなっているのか。 売却といっても高すぎるという考えもあった。

でもこの公舎の必要性について、「緊急時に20分ぐらいで登庁できる」と都は説明していたが、湯河原では無理ではないか。緊急時には指示体制は整っているとでも言うのであれば、世界中どこからでも可能だ。

舛添という男、いい加減なところが多すぎる。他人事では正論を吐くが、自分の事になると屁理屈が多い。

参議院議員の時に政治資金で疑惑が出たが曖昧なうちに逃げ切っているし、自民党を批判して飛び出したのに何故、都知事に立候補したとき、自民党公認(?)になったのか。

都市外交も必要なことは分かるが、何故、規約の5倍にもなる高額なホテルの部屋に泊まらなければならないのか。恐らく見栄っ張りなのだろう。


舛添流ルールの是非を決めるのは都民だ。巨額の予算を執行できると言っても知事が贅沢すべき理由にはならない。

2016年4月25日月曜日

熊本地震の震源が中央構造線を東に移るか




中央構造線の標本
2005.4.16 大鹿村中央構造線博物館で
熊本地震の震源が中央構造線を東に移るか。私も中央構造線を見たことがある。今回の熊本地震は別府―島原地溝帯沿いに断層が動き未曾有の被害を被っているが、これが中央構造線断層帯の西端に当たり、この線に沿って震源が東に移動する事を歴史が証明している。

日本経済新聞 2016.4.22に大鹿村中央構造線博物館と
分杭峠、下仁田町を記入した
日本地図を広げると九州、四国でははっきりとこの線だと分かるが、長野県の大鹿村には中央構造線博物館があり中央構造線を見ることが出来る。勿論標本状になっているが。

2005年の春、高遠の桜を見に行った帰りに国道256号を大鹿村に向かった。道が山中に入っていくと切り立った崖のようなところを走る。地質は脆く所々で崩れている。分杭峠にさしかかると構造線らしい光景が見渡せる。ここはパワースポットとして人気を得ているところらしい。

石ころがゴロゴロした道を下って平地にでると川向こうの崖が大きく崩れている。数カ所崩れたままになっているのに驚く。

大鹿村に入ると両方が切り立った山に囲まれ川沿いに舗装された道路を標識に従って走ると、中央構造線博物館の標識が出ているところを右に入っていく。

すると、大きく崩れた山を背景に博物館が建っていた。

博物館の庭に表示された構造線の方向
庭には向こうの峰に向かって構造線の走っている方向が表示されていた。中央構造線上に村が成り立っているが、新聞報道によると、つい最近リニア新幹線のトンネル工事がここから着工されるらしい。

岩盤も脆く難工事が予想されるが、やってみなければならないところがあるらしい。

付帯工事から始めるが、村の人は地質も脆く崩れやすいので計画の変更を訴えていた。黒四ダムでは大きな破砕帯に出くわし、出水で工期が大きく変更されたことがあるのだ。

リニア新幹線のトンネルは、中央構造線を大鹿村で横切るらしい。誰も中央構造線断層帯の地震を経験したことがないからどんなことが出てくるか未知の世界らしい。

博物館の中には地質をはぎ取り、貼り付けられた標本が展示されていた(もう11年も前のことだから記憶がはっきりしないが)。

学術員の男性が「何か聞きたいことはありませんか」と寄ってきた。「地震は起きないんですか」と聞くと「起きません」との返事だったと記憶している。構造線断層帯に沿った地震は発生していないと言うことか。

この中央構造線も諏訪の辺りでフォッサマグナに遇ってからその後が不明だったが、群馬県下仁田町で露頭に出ていることが分かった。

その下仁田でジオパークに申請する話が出ていることを知り、露出しているところを見に行った。

2011年の11月だ。

ここは周りを見渡しても山や川底の岩がチョット違った光景に見える。現場に看板は出ているが、どこが露頭か分からない。町で立ち話をしている男性に場所を問うと「私が案内しましょう。丁度散歩の途中だから」と言って案内してくれた。

川岸に「ここだ」という場所があったが、素人には直ぐには分からない。また、この辺は貝殻や化石の見つかるところでも有名らしい。昔は海の底か。
大北野ー岩山の大断層
2011.10.30 下仁田町

チョット昔になるので記憶が曖昧なところもあるが、中央構造線はこの下仁田町の下を通って鹿島灘の方へ抜けているのだ。教科書でそこまで表示されるようになったのはつい最近と記憶している。

西の方はいろいろ研究されているから所見があるが、東の方は研究が遅れていた結果だという。

日本を東西に分けるのがフォッサマグで、南北に割るのが中央構造線か。あの右京さんのベストセラー「日本沈没」も中央構造線がヒントになっているのか。

下仁田の現場に表示された中央構造線の図示
下仁田にて




北海道5区補選を見て:自公候補者当選は当然としても野党統一候補は善戦か

北海道5区補選結果を見て、自公候補の当選は当然としても、野党統一候補がここまで善戦出来たことは収穫ではないか。当初は自公候補の和田さんが圧勝という見方もあったが、野党統一候補の池田さんが追い上げ一時はどうなるかと注目したが予想通りの結果に終わった。

和田さんは町村さんの地盤を引き継ぐのだから弔い合戦になるが、劣勢の情報で自民党はなりふり構わぬ選挙戦になった。地方の選挙区は組織、支持団体、企業への働きかけが重要になる。テレビの情報番組で応援している道議が「安倍さんから直接電話があった」と漏らした。

TPP審議での丁寧さに欠ける政権の対応、アベノミクスの破綻、安保法案での国会運営、次から次に明るみになる自民党議員の不祥事、失言の数々は「ここらで自民党にお灸」という考えが出て来ても不思議ではない。

選挙の争点隠しで有名な自民党だが、今回はどういう争点にしたのか。政権党だから有権者への利益誘導はお手の物だ。

一方、野党統一候補の池田陣営は、組織の弱い民進党などに替わって組織力のある共産党が主導したのだろう。しかし、地方政治では共産党アレルギーが強い。下手をすると有権者が逃げていくのだ。

更には無所属候補に選挙戦法上、不利な面もある。

選挙区の有権者が、誰を代表にすれば選挙区のためになるかも判断材料になったのだろう。政権との太いパイプを主張すれば企業、組織はなびく。

ところで得票結果はどうか。平成24年の衆院選と今回の補選を比べてみた。

和田候補 135842票  平成24年の町村さんの得票 128435票
池田候補 123517票  平成24年の野党候補の得票 135722票

もうチョット野党が結束すれば、接戦になっていたかもしれない。

これに気をよくして安倍総理がW選を打って出るとは思えないが、最後のチャンスとみるかもしれない。


参院選は参院選、衆院選は衆院選としてそれぞれ単独で政策の信を問うべきではないか。それが憲法の趣旨だ、

2016年4月24日日曜日

日銀・黑田総裁曰く「物価目標、道半ば」とは、物理パラドックスでは不可能と言うことか

日銀・黒田総裁は「2%物価目標は道半ば」と先月の参院予算委員会で答弁したが、確か「物理のパラドックス」では達成は不可能と言うことではないのか。

物理のパラドックスによると、AからBに行くのに、まずABの中間点C1を通過しなければならないが、さらにその中間点C1からBまでの中間点C2を通過する必要があり、永久にBには到着できないというパラドックスだ。

それを考えると、2%物価安定目標達成は不可能なのだ。言わんや「17年度前半」なんて考えられない。目標達成不可能で責任を取り辞任した方が早い。

新聞報道によると、黑田総裁は「歴史上、最強の金融緩和スキームと言い放ったマイナス金利政策導入がなければ金融市場はもっと悪くなっていた」とも言う(13日コロンビア大学にて講演)。でも、それは検証できない。

しかし、日銀にあっても異論があるのだ。日銀審議委員を去る白井さんは新聞社のインタビューで、「現時点で追加の金融緩和をすべきではない」、「日銀の政策は限界に近づいている」と「17年度前半」は難しいと言ったそうだ。

マイナス金利政策決定会合で反対したのだ。白井さんの後は黑田総裁派の審議委員は選任されたそうだ。

日銀・黑田総裁は益々、「必要なら躊躇なく追加緩和」というし、市場も追加緩和を期待する。

政府の仕事である財政出動、構造改革の必要性が叫ばれ日銀の金融政策だけではどうしようもないのに何故、日銀は突っ走るのか。

企業収益は改善しているが、内部留保は320兆円にもなり、設備投資や賃上げには回らず、消費は冷え込んだままだ。4月に入ってモノの価格が高くなった。マンションの立体駐車場の操作キーを紛失したので注文したら1000円が2000円になっていた(消費税別)。明らかに便乗値上げだ。

融資が増えないのは資金不足ではなく、融資の需要がないのだ。内需不足なのだ。

アベノミクスも頓挫、日銀の金融政策も限界が見えてきた。当然見直しの時だが、政府も日銀も「その正当性」を主張するだけだ。

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2016年4月23日土曜日

熊本地震(2):分からないことばかりで気象庁もお手上げか

訂正する気象庁の記者会見
民放テレビニュースより
「14日は前震、今回が本震」、熊本地震は分からないことばかりで気象庁もお手上げで責めるのも酷だ。気象庁の今までの知見(国民もそうだ)からすると不思議なことばかりが起きる。14日午後9時26分のM6.5,震度7という大きな地震は、16日に震度7.3が発生し前震になったのだ。

その要因に、今回の熊本地震は100kmに渡り、既知の断層帯が動いているが、そのほかに周辺の未知の断層帯も影響され既に余震は820回を越えている。九州を真っ二つに割る状況だ。この辺は別府―島原地溝帯」と呼ばれている。

震源も当初は北東方向に動いていたが、反対の南西方向も動きが出て来て目を離せない。

更に、気象庁の従来の余震確率も通用しなくなり確率発表を中止しました。

この付近の地震活動は、熊本気象台の発表している概況では震度1以上が2月に3回、3月に6回だったが、4月に入って14日以降820回を越えた。

突然、巨大地震が発生したようなものだ。何故か、前兆はなかったのか。GPS測位データからは異常な隆起が見られ、専門家の間では警告する者もいた。

多くの場合は、事後の検証で「前兆か」と思われる報告がある。

地震学会でも「発生メカニズムが分からないのに地震予知など出来ない」と主張する学者もいるが、「それでも予知技術の開発は必要」という意見が多い。

動物園の動物に聞いたらどうか。今回も異常行動が観察されているはずだ。

それにしても気象庁の「今後1週間は、震度6クラスの地震に注意」という余震予測が人的被害を増大させた結果になった事は否定できない。14日の地震後、家に帰り被害に遭った人も多いという。

又、誰でも考える事だが、中央構造線断層帯、南海トラフ巨大地震への影響も気象庁は本音では影響があるかもしれないと危惧するが、そのまま公表することは立場上、許されないのだ。

今回の地震で的確なコメントの出来ない気象庁を責めるのは酷すぎる。

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2016年4月14日掲載
4月14日、午後9時26分、熊本を震源にM6.5,未経験の震度7.3



2016年4月22日金曜日

熊本地震(1):何故、震源の深さが約10kmと浅いのか、深いところは割れ残りか

2016年3月1日から31日 深さ30km以浅の
熊本県周辺の地震の断面図
熊本県の地震活動概況(2016.3)
熊本地方気象台 平成28年4月12日
熊本地震はどうして震源の深さが10kmと浅いのか、もっと深いところは割れ残りか。テレビが報じる地震情報はいつも「深さ約10km」とか「極浅い」という。浅ければ揺れは大きく今回の熊本地震の甚大な被害が明らかになるにつれ、どこから復興の手を付けるのか悩む。

何しろ余震が収束に向かわなければ手を付けられない状況ではないか。あの堅牢な清正流石垣といわれた熊本城の石垣崩壊を見ても揺れの大きさは想像出来る。

でも、どうして10kmと浅いのか。

熊本地方気象台の「熊本県の地震活動概況」(2016年3月)によると、3月に震度1以上を観測した地震は3月に6回、2月は3回だったという。その3月1日から31日までの震源深さの断面図を見ると深くても20kmに達せず概ね10kmだ。

熊本県内の地震が2月に3回、3月に6回だったのが4月に入って突発的に急増した。おまけにM6.5、震度7~7.3だ。本震と思っていた4月14日の震度7は前震で、本震は16日の震度7.3だという。従来だと余震は震度6クラスだが、今回はそうはいかない。

気象庁は「前例がない」と余震の予測を諦めた。さじを投げた感じだ。

新聞に地溝帯という文字が目についた。

調べてみると、今回の地震の発生地帯は「別府―島原地溝帯」という多くの活断層が重なった地域が震源になっている。だから一つの断層が動けば次々に断層が動き中央構造線断層帯につながっているのだ。

別府湾―日出生断層帯付近の過去の地震を検討した験震時報第72巻第1~4号によると、 断層帯は多くの細かい断層の集合体で、地下浅部も無数の弱線が存在し、今回の地震はこの弱線のいずれかが破壊しているとみている。地下水も関係しているのではないか。

納得がいく。震度7,7.3では堅く固着していた部分が外れ、全体のバランスが崩れ、あちこちが影響し合っているのだろう。そう考えると直ぐには余震も落ち着かないだろう。

でも現在のテレビの画面に「地震が発生しました。震源は熊本県熊本地方」という字幕が減ってきたようにも思える。収束に向かっているのか。

あるいは、収束に向かっていると見せて、もっと東で大きな地震が起きるのか。歴史は、そう語っている。

2016年4月21日木曜日

熊本城の崩壊危機:復旧・再建も歴史なら撤去も歴史か

一本の石積みで支えるなんて凄いこと。無理だろうが
このまま残すことに意味があるのでは
民放テレビニュースから
今回の熊本地震で熊本のシンボルである熊本城が崩壊の危機に瀕している。復旧・再建も歴史だが、再建せず撤去するのも歴史ではないか。「ここに櫓があったが2016年4月14日M7の前震、続く2016年4月16日のM7.3の本震で倒壊した」というのも歴史なのだ。

復旧/再建ばかりが歴史を刻むのではなく、倒壊で再建しなかったことも熊本地震の記録になり、歴史を刻むことになるのだ。

しかし、県民や観光客にとっては熊本城の復旧は念願だろう。

天守閣の被害を見ると外観は、全てが落下している屋根瓦の被害が大きいが、内部の被害も軽いとは思えない。

早速日本財団が30億円を拠出するという。もっと費用は掛かるだろうが復旧することは出来るだろう。HPを見ると今までも計画的に復元工事をやっているという。

でも、崩壊した櫓まで再建し復元することに意味があるのか。再建せずに地震という自然災害で倒壊したという事実を残すことも歴史を語ることではないか。

ところで、まわりの石垣は崩壊したが、あの一本の石積で櫓を支えている石垣はまだ残っているのか(夕方のテレビニュースではまだ持っている)。

武者返しで堅牢な石垣は「清正流」と言われていたが、明治には取り壊しにも遇い積み替え工事をやっていたという。

今回はあの堅牢と言われていた石垣が崩れた。関東大震災の時には震源域に近い小田原城の石垣も崩れたのだから地震の規模の大きさが分かる。

石垣も堅牢と言っても合戦時の攻めに対してで、地震には弱い。

ところで、加藤清正といえば、東京/大田区池上の池上本門寺にも石段を寄進している。96段で此径難持坂といい、一部修復されているが祖型はほぼ残したままで貴重な石造遺構と言われている。

加藤清正が寄進したという石段
今も祖型はのこしたままだ。
東京・大田区 池上本門寺にて
熊本城は天守閣や櫓など歴史的建造物を残すことも大事だろうが清正の石積みである石垣を残すことに意義があるのではないか。



2016年4月20日水曜日

「表現の自由」への政府圧力:政治家の皆さん いつまで安倍忖度ですか

「公平」、「公正」な報道を求めたメデイアへの政府の圧力は目に余る程だったが、安倍政権を支える政治家の皆さん、いつまで安倍総理を忖度した発言、行動をするのですか。

新聞報道によると、政府の招きで来日した国連の「表現の自由」に関する特別報告者が19日に記者会見し、「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」と改善を政府に求めたという。

かって経済は一流、政治は二流と言われていたが、これでは政治は三流以下で恥ずかしい次第だ。

NHK会長の「政府が右と言えば右」発言から選挙を控えての安倍総理自ら出演したTBS ニュース23,古賀さんが爆弾発言したテレビ朝日・古館報道ステーション、さらには国会議員勉強会でのメデイア攻撃、そして高市さんの「電波停止」発言など明らかなメデイアいじめが目立った。

それにメデイアが団結して反論するのかと思ったらメデイア経営者が腰折れし報道番組はコメンテーターを交代させ番組編成で大幅な改革を実施した。

結果としては安倍政権の「してやったり」の感がする。

安倍総理は自分のやりたい政策を人事まで介入してやってしまう。意に沿わないNHK 報道ではNHK会長、金融政策では日銀総裁、憲法の閣議決定では内閣法制局長官を更迭した。

そして官邸スタッフまでもメデイアに圧力をかけた。メデイアを虐めることで安倍総裁の目に叶うと思ったのだろう。重用されると期待してのことなのだろう。

でも、考えてみよう。そんな事をやっていて良いのか。

安倍総理の任期は、2018年8月までだ。その後、禅譲で院政をひくかどうかは知らないが、あと2年なのだ。

ポスト安倍でどうするというのだ。強権政治の片棒を担いだとか、反立憲、反民主のレッテルを貼られて今度はメデイアの反撃に遭うのではないか。

特に、安倍政権での選挙で大量得票で出て来た新人議員には質の問題を指摘されている。

更には与野党を問わず政治資金規正法違反の疑いの事案が続出している。野党が攻撃すればブーメランのごとく野党にも跳ね返ってくる構図だが、テレビ、全国紙はニュースにせず、週刊誌が頑張って悪を暴いている。

甘利さんのあっせん利得法違反問題がしかりだ。このときは週刊文春が暴き、テレビ、全国紙は夕刊で後追いする格好の悪さを露呈した。

「昔ならメデイアは挙って反論したものだ」とは過去に名を馳せた報道人の述懐だ。


「驕れる者は久しからず」という諺もある。安倍総理の我が儘がいつまでも続くとは思わない。追われる時はあっという間だ。

2016年4月19日火曜日

舛添さん サンダースさんを見習え:都市外交と称して無駄遣いは止めろ

舛添さん! 都市外交の必要性は分からないことはないが、サンダーズさんを見習って無駄遣いは止めたらどうか。前回のパリ、ロンドンは5000万円と言う高額な費用が問題になっていたが、今回のアメリカはどうなのか。

一方、今米大統領選で民主党候補者のクリントンさんと指名争いをしているサンダースさんがエコノミークラスで一般客に混じって移動する姿をツイッターされ評判になっている。

舛添さんは批判に対して、都市外交の重要性を訴えているが、無駄遣いについては「突然の訪問客に対応する必要がある」とか「きちんとしたところに止まっているかどうかが大事」と自己弁護するが無理感がする。

セキュリテイーの問題もあるだろうが、そこそこの値段で我慢すべきだ。

一方、民主党候補指名で争っているサンダーズさんがアメリカで評判になっているらしい。サンダースさんは公立大学の学費の無料化、最低賃金の引き上げ、インフラ整備、貿易政策の見直しを訴えている民主社会主義者だという。米国にとっては異色の上院議員だ。

対抗馬で優勢な選挙戦を展開しているクリントンさんは、地下鉄の改札を入るのに四苦八苦している姿がテレビ画面が流れた。庶民の生活が出来ない政治家に国の政治を託すことが出来るのか。

今回の米国訪問で、舛添さんはブロードウェイを作る構想を述べているが、前知事の時ニューヨークをまねして新宿と六本木の間のバス運行を深夜も実施に移したが失脚したために廃止になった。


外国のまねは、その程度の物なのだ。無駄な外交は止めてほしい。

熊本地震の前兆は:現代地震学vsGPS

GPS測位から次に危ない地域
2016.4.18 テレビ朝日 モーニングショーより

今回の熊本地震は分からないことが多すぎるといわれているのだから「前兆など分かるはずがない」と思っていたが、GPS測定値で付近の地殻の隆起、沈降を捉えていたとすると今後の地震予測にGPSは強力な武器になるのではないか。

地震の発生メカニズムがはっきり分かっていないのだから予知など無理だとする考えがある一方で、学問の進歩のためには予知技術の開発は重要だという考えもある。

大きな地震が発生し、被害が甚大だった地震も、後の検証で「兆候はあった」とする研究報告を目にする事がある。

では、どうしてそういう項目を絞って平素から徹底的に追求しないのか。

今言われているのは、地殻変動のためのGPS測位、スロースリップ現象の追跡だ。どちらも巨大地震の前兆と見られるのだ。

3.11東北地方太平洋沖地震を検証していた研究者が、発生前にスロースリップが北海道から始まり、下に下って止まったところが巨大地震の震源域だったと報告している。

又、スロースリップ現象が止まって地震の発生が危惧されているところに浜名湖付近がある。ここで巨大地震が発生すると交通の大動脈が破壊されることになるので被害は甚大だ。

一方、GPSでは測位学の村井先生がMEGA地震予測の「異常変動全国MAP16」で九州南部、熊本、鹿児島に従来にはない顕著な沈降現象が見られ注意を喚起していた(週刊ポスト)。

地殻の歪みをチェックし、エネルギーの蓄積を予測できるのだから地震予知には利用できる。

更に、18日のテレビ朝日 モーニングショーで「GPS調査が捉えた地震の前兆と震源移動」をテーマに検証していた。

それによると、四国の愛媛県、琵琶湖周辺、島根県に警戒すべき地殻変動があるというのだ。日向灘付近では1967年M7.5、1996年M6.9,1961年M7が発生しているが、南海トラフ巨大地震への影響も心配されている(SAPIO 2014.4)。

琵琶湖周辺では1317年京都地震M7,1185年京都地震M7.4,1662年には琵琶湖西岸地震M7.6の発生が分かっている(同上)。

島根、鳥取付近では1872年浜田地震M7.1,1978年島根県中部地震M6.1,1989年鳥取県西部地震M5.3,最近では2000年鳥取県西部地震M7.3がある(同上)。

現代地震学では解明できなくても地震考古学では繰り返し発生していることが分かるのだ。

スーパーコンピューターを使った地震考古学、GPS、スロースリップの追跡で何とか前兆らしき物を捉えることが出来ないのか。

今回の熊本地震の被害を見ていると重要拠点になる市役所や病院に地震対策が出来ておらず、防災意識が低かったことが分かる。勿論M6.5,震度7以上では防災対策も一段上が必要だ。

GPS 岡山ブルーハイウェイ 休憩所にて


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2016年4月18日月曜日

熊本地震で誘発するか:日向灘、中央構造線断層帯、南海トラフ巨大地震はどうなる

気象庁の「最近の地震活動(速報値)に日向灘、南海トラフ地震の
震源域と中央構造線断層帯を書き加えた
被害や地震発生のメカニズムが明らかになるにつれ今回の熊本地震は想定を越える結果になりそうだ。テレビ画面でもしょっちゅう「地震情報 震源地熊本県熊本地方」が表示される。

これだけ頻繁に起こると専門家が指摘している日向灘地震、中央構造線断層帯、まだ少し先と思っていた南海トラフ巨大地震への誘発が心配になる。

テレビの情報番組、報道番組でもキャスターがコメンテーターに問うが専門家は口を濁す。本音は「関連性なし」と思っているのだろうが「万が一」と言うこともある。

そこで気象庁の「最近の地震活動(速報値) 2016/4/16 00:00~2016/04/18 13:20」に関連する震源域を書き加えてみた。

まだ、震源域は九州を飛び出て四国に飛んでいないが、伊方原発はヒヤヒヤだろう。

中央構造線断層帯では未だ地震の発生は見当たらない。

しかし和歌山県、三重県にまたがる紀伊半島では南海トラフ震源域の北端で地震の発生が見られる。これが誘発するかは分からない。

専門家の調査が報道され断層の地割れが田畑に現れているが、横ずれで大きいところでは2mになるという。舗装道路はめくれ上がり道路網は遮断だ。

又、今まで震源は北東に向かっていたが、今は反対の南西方向にも延びている。これが続けば川内原発も危険になる。

政府の対策も「先手先手」といいながら「後手後手」になっている。今は静かに我慢しているが不満が爆発するのは目に見えている。

いろいろ勉強になる熊本地震だ。

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熊本地震対応の菅・官房長官記者会見:何故、会見場はがら空き状態なのか

熊本地震対応で菅官房長官の記者会見場のテレビ画面を見て驚いた。会見場はどのくらいの席を用意しているのかは分からないが、周囲4辺で一列ずつしか記者が座っていないがら空き状態なのだ。

政府は矢継ぎ早に救援策を東京から飛ばしているが、メデイアの報道によると「屋外避難を屋内避難に」という政府の方針を県知事は「被災地の現状が分かっていない」と批判したという。被災地は続く強い地震で屋内避難に危険を感じて屋外避難をしているというのだ。

東京から会議をして政策を伝えるのではなく、福岡とか鹿児島の比較的被害が少なく、被災地に近いところで被災地の情報を収集し対応した方が良いのではないか。

政府は選挙も近いためか、頻繁に会議を開き政策を打ち出している。

17日の安倍首相の一日(讀賣新聞 2016.4.18)を見ると、11時37分から非常災害対策本部会議、午後は5時3分から被災者生活支援チーム会議、6時32分から非常災害対策本部会議を開いている。

その結果を菅官房長官ががら空きの記者会見場で報告するのだ。

まず被災地の被害状況の報告から始まり、自衛隊や警察、消防などの派遣隊員を増員、地方交付税の繰り上げ交付、被災地のニーズを的確に把握し迅速に対応、予備費の投入など支援策を繰り出す。

「あらゆる手段を尽くす」というのだ。

安倍総理の被災地視察は中止になったという。東北地方太平洋沖地震で福島第一原発のメルトダウン事故に接し、民主党政権時の菅総理が現場を自らの目で確認、東電で復旧作業をやっているという社員と話し合いたいとの意向で、周囲の反対を振り切って現場に出た。

一国の責任者は、緊急事態でも東京で報告を受け指示を出すのが常識らしいが、トップともなるとまず現場の状況を確かめたい気持ちは分かる。当時の菅総理の気持ちは自民党政権でも理解出来たのではないか。

今回の地震ではボランティア活動や全国からの支援物質受付がされていないようだ。当然だろう、道路は寸断、役所も人手不足で対応に応じかねないのだ。

だからこそ、政府の支援活動は重要になる。行方不明者を捜す自衛隊、警察、消防、現地の関係者の努力には頭が下がるし、後方支援している自衛隊員の活躍が目を見える。

今、被災地で必要なのは,水、食べ物、おむつ、電池、薬品、下着類などが挙げられている。仮設住宅も必要になるだろう。

政府は東京ではなく、被災地にもっと近いところから救済、支援すべきではないか。中央官庁の役人が絡んでくると自分たちの利害も絡んで被災地の本当の要望が不明瞭になってくる気がする。