労使で残業100時間のせめぎ合いが続いている。「働き方改革」を推進する政府は「労使でまず合意が必要」とさじを投げた感じだ。残業100時間となると単純に月20日勤務とすると1日5時間の残業になる。
今までの過労死例では150~160時間、休日なしの連続勤務が続いていた例が多い。しかも数種類の仕事の掛け持ちだとその都度頭を切り換える必要があり単純な連続残業ではない。
この100時間という根拠でも労使で揉めている。
労災認定基準の残業時間が「脳、心臓疾患の発症前1ヶ月間に100時間超」となっているためらしい。
連合は過労死ライン「月100時間」と考え抵抗しているが、経団連は「厳しい上限規制をすると国際競争力を低下させる」と言うことで「まあまあ妥当な水準」という。
でも実際に1日5時間の残業を考えてみよう。残業が終わる時間は午後11時頃、駅まで行って帰宅時間を1.5~2時間と見ると帰宅は午前1時頃、ふろに入って寝ると2時、6時頃には起きて会社に行く準備をし出勤となる。
寝る時間は4時間ほど。子どもと顔を合わせるのは朝の短い時間だ。場合によっては子どもと顔を合わす時間などない人もいる。おまけに休日なしではどうなるのか。
こう言う実体が年中続くのだ。
こう言う状態を回避するには経営者の英断が必要だ。正規社員を増やすことだ。今の企業の儲けは社員の搾取で成り立っているのだ。
社員を仕事量に応じて増やすこと。複数の仕事を頭を切り換えながらやっていくことは社員にとっては負担が大きい。
今だって、午前6時には家を出て、帰宅は午後11時、場合によっては午前様が多いのではないか。
プレミアム・フライデーなんて「笑わすな」だ。