2017年2月18日土曜日

今日の新聞を読んで(59):民進党離れ、縮小する労組、迷える連合か

労働組合 推定組織率 労働政策研究・研修機構より
労働者の組合組織率が下落している事は指摘されて久しいが、その上部団体である連合の迷走が続く。民進党との政策の違い、自民党への歩み寄りなど今までにない動きが続く感がする。

既に過去のことになったが、経営者vs労働者、労働者の権利、生活を確保するための革新政党、上部団体(総評)と結束して経営者と対峙する必要がなくなったのか。

更に労働運動のキーだった国鉄などの民営化、官公労の弱体化で激しい労働運動も見えなくなった。

経済環境も変わった。グローバル化で生き抜くためには経営者と一体にならなければ自分たちの生活を守れなくなったし、東南アジアなどへの進出は当然に新興国との賃金と競合するために、どうしても賃上げが難しくなった。

一方で、日本経済回復のためには企業の儲けを家計に分配し、消費を上げる必要があるために安倍政権は「賃上げ」を経済団体に要請するようになり革新政党顔負けの政策を打ち出した。そのために既成革新政党のお株を奪ったことになる。

今、注目されているエネルギー問題もその考え方の違いから連合は民進党離れ、自民党寄りを加速させている。民進党の「2030年代に「原発ゼロ」」を「2030年に前倒し達成」を打ち出したことに連合は「政権を任せられる政党として国民の支持を得られるかどうか」と異論を呈している(讀賣新聞2017.2.17)。

更には連合傘下の「全国化学労働組合連合会」が自民党本部をはじめて訪れ、エネルギー政策や働き方改革で意見交換し衆院選での選挙協力も協議したという(同上)。

失業率が低くなったと安倍総理は経済運営を誇張するが、その内実は非正規労働者、アルバイトなど労組結成が難しい業種、労働環境の悪い第三次産業であるサービス業など多くの問題を抱えている。

若者達の不安払拭、生活改善は上質な労働力の再生産に不可欠で、怠ると将来経営者にしっぺ返しが来ることを再確認すべきだ。

そして労組のあり方も再考するときではないか。グローバリズムも修正の局面に来ている事は確かだ。


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