2017年6月11日日曜日

骨太の方針、成長戦略:政権のPRで実効性は二の次か

骨太の方針が発表になってもう5年か、でも今回発表された成長戦略と共に思うことは政府の大風呂敷のPRで実効性など二の次ではないのか。そんな感じがしてしようがない。

高成長に持っていって財政再建を目指す、GDPを500兆円から600兆円に、潜在成長率が伸び悩んでいるが将来不安から消費が伸びない、人材育成、教育の重要性を謳っているが安定財源が見つからない。

毎回言われていることではないか。

それでも未だにアベノミクス(今は安倍総理とyesmanしか言わないが)の成果として経済好転、税収増、家計への再分配、消費増を期待している。

何時の時代にも、内需拡大策が重要なテーマになる。海外から輸出頼みの経済にクレームがつているのだ。

前川レポート、福田内閣時には21世紀版前川レポートが提言されたが、企業の儲けを家計に再分配する方法が構築されていなかったためにいずれも失敗した専門家が批判している。

成長戦略も難しい。こんな分野に進出して本当に良いのかと思うが、新しい分野で可能性を探る企業を手助けするのだろう。

麻生財務相が経済財政諮問会議で言っていたことがある。政府が唱える財政出動に変えて「これからは民間出動だ」と。何をやってもうまく行かない財務省を代弁しているのだ。

そして、消費税10%への増税が消えた。2020年にPB黒字化(ほとんど無理だが)を目指す唯一の手段だったが消えたことはどうしてか。

景気が拡大期に入っても消費税を上げることは消費をひやすことになる。海外のノーベル経済学賞受賞の経済学者は「消費増税を止め財政出動だ」という。シムズ教授もその説だ。リフレ派主導の浜田先生まで「目からウロコが落ちた」と評価した。
財政出動しても経済が成長し、それなりに税収が増えれば効果もあったと言えるが、赤字の増加では何をしているのか分からない。

国、地方合わせての赤字は1220兆円、対GDP比220%だ。安倍政権になってからも増加の一方だ。国内のインフラが老朽化しており更新が必要になっていることがテレビのニュースでも時々見られる。ある地方の自治体で橋が老朽化し危険のために「通行禁止」の表示しか出来ていないのだ。

海岸に近いコンクリート製の構築物は朽ちて鉄筋が丸出しだ。担当者は憂鬱な顔をしていた。

専門家によっては純資産が400~500兆円(?)あるので日本の財政は心配ないと言うが、この考えは極少数派だ。国会で本当の財政を議論すべきではないか。

又、日銀が異次元の金融緩和を継続していることに危惧もある。日銀は市場から国債を買い上げ残高が420兆円、発行国債の40%もしめるという。先日利率が1%上がると25兆円の損失になるという記事が新聞に載っていた。

「日銀が倒産する日」が現実問題となっているが日銀は政府と一体なので倒産することはないのだそうだ。だからといってこんな事を続けていては海外の信用を得ることは出来ない。

政府が打ち出す経済政策も諮問会議でもまれているようだが、実際は官僚が作成したものをYESMANの集まりが承認しているだけだ。安倍総理も総括で官僚が作った文書を棒読みしているのがテレビ画面に映し出される。

今は官僚も経産省優先で財務省は後に引けている。当然財政状況など後回しで「ゆけゆけドンドン」だろうが後の責任は誰がとるのか。


同志社大の浜先生が言うように「アホノミクス」に頼っていては日本はダメになると言う事か。

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