加計学園疑惑：規制改革、構造改革、戦略特区で文科省は悪者か

規制改革、構造改革、戦略特区構想で
既得権益の役所は抵抗勢力の悪者か

加計学園疑惑は規制改革、構造改革、国家戦略特区政策で監督官庁の文科省を既得権益を守る悪者の様相を呈してきたが、本当は安倍総理、官邸、内閣府が獣医学部新設計画でごり押しした実体が前川・前文科省事務次官の告発で見えてきた。

官邸は前川さんの人格攻撃で抹殺しようとしているし、名前の挙がった文科省の役人は記憶にないと言うし文書の存在も否定する。厳しい（？）国家試験を受けて登用された高級官僚の記憶力のお粗末さには驚く。

確かにお役所仕事は時間がかかる。私も現役時代に県の許可が必要な案件を処理したことがあるがなかなか進まない。構造基準も決まっているが細かいところは「行政指導」だ。担当者は申請書を受理した順番に処理していく。

だから会社で計画を申請し工事費を確保するのに許可が何時得られるか分からないので苦労した。上層部からは「何時だ、何時だ」とせっつかれる。計画が立ちにくいので苦労したものだ。

ところが今回の加計学園の計画はスムーズに運んだようだ。新聞報道で作新学園を経営している船田議員が許可まで時間がかかるのに苦労したと言い、今回の事案は驚く程早い処理だという。同感だ。

そこのところをつくと構造改革、戦略特区は強力に進めなければ既得権益者の抵抗に遭うという。安倍総理は国会で「民主党も戦略特区を進めていたではないか」と民主党政権ではうまく行かなかったことを暗に批判する。

この批判に民進党の野田幹事長（民主党政権時首相）が「民主党政権の時はボトムアップ、今の政権はトップダウンの違いがある」と批判する。

確かにボトムアップでは時間がかかるが、トップダウンでは権力者の圧力で悪巧みが出来る。公正、公平な政治が期待出来ないのだ。おまけに従来、地方創生にも絡み４つの条件が決められていたのを反故にしてまで強行する無謀振りだ。

がんじがらめ（？）とは言えないが、規制条件が厳しいのは国民の安全、安心を守る。文科省で言えば学校の乱立、教育の質を守る重要な役目がある。急ぐ加計学園の獣医学部新設でこれらが守られるのか。地方で獣医学部を新設することで街は活性化するのか。人口が増えると言っても卒業して今治市から出て行けば増えっこないだろう。おまけに職員、教員は単身赴任となると踏んだり蹴ったりだ。

相当の資金がまかなえるらしいが、儲かるのは加計学園の理事長だけと言う事にならないか。安倍総理の身近の議員が落選でもすれば一時的に職員に採用され食い扶持を得ることは出来る。

今回の計画に対して内閣府が前川さんに圧力（？）をかけてきた経緯を今日、前川さんがメデイアのインタビューで答えていた。

木曽さんという、文科省ＯＢで内閣府参与、おまけに学園の理事をやっている人間が接触してきたという。「よろしく」と言われれば想像はつく。

総理の友人の加計理事長が絡んでいることもはっきりしてきた。そして和泉首相補佐官が「総理は言えないから私が変わって言う」と言えば誰だって背後に誰がいるかは想定がつく。和泉さんは「記録がないので分からない」と言うがバカじゃないのか。

この加計学園事件は森友学園事件と相まって政権がぶっ飛ぶ大疑獄事件だ。安倍総理は責任をとる気は全くない。これで３期を目指そうとしているらしいが許してはいけない。

メデイアはこの疑惑事件を風化することなく、根気強く安倍政権の横暴を報道し、国民はメデイアの世論調査で内閣支持率低下で鉄槌を下すべきだ。