2017年6月20日火曜日

今日の新聞を読んで(86):IMFの年次審査声明、「分かってはいるがどうにもならない」のだ

IMFが2017年度対日審査後の声明を発表したが、日本にとってみれば「分かってはいるが、どうしようもないのだ」。

IMFは日本経済を「近年では最も好調」と評価するが「持続的緩和を維持しろ」という。物価上昇が低水準なのだ。そのため追加緩和、財政出動に加えて構造改革、消費税15%を目指せというのだ。

構造改革では生産性の向上、賃金の上昇が要求されるが企業家の考えもありうまく行かないのだ。生産性の向上は大事であるがサービス産業のウェイトが大きい経済にあって生産性の向上は大きな課題だ。ロボット化など技術の向上に期待しているが、人間をどうするのか。

規制改革、戦略特区構想を推進しているが加計学園疑惑でも分かるように既得権益者にかわって新しい権益者に「安倍人脈ありき」なのだ。こんな行政をねじ曲げる事があってはいけない。

財政健全化の必要性は分かる。2020年PB黒字化を狙っているが8兆円の不足らしい。成長率3~4%が必要だが過去の事例から見ても不可能に近い。

更に財政出動で経済が好転し、税収増につながれば財政の健全化にも役立つが、今は借金を上乗せする悪循環が続いている。

財務省は消費税10%を狙っているが、安倍政権は骨太の方針から消費税増税の語句が消えた。景気下振れの危険もあり安倍政権は回避したいのではないか。

消費税増税で財政が一歩でも健全化に向かえば効果もあったと言えるが、なかなか難しい。


IMFは好き勝手なことを言うが、「うまく行かない」のが現状なのだ。

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