2017年6月16日金曜日

官房長官のお仕事?:菅長官は安倍総理の暴走を止められないのか

今回のテロ準備罪参院強行突破を見て、菅・官房長官は安倍総理、政権の暴走を何故、止められなかったのか。加計学園疑惑で何故、安倍総理擁護に走ったのか。官房長官のお仕事が気になってきた。

官房長官とは政権での権力者であることに間違いなく「総理の女房」と言われている。だから重要な仕事なのだ。ある時は総理の暴走を正す責任もあるが、今回の加計学園疑惑では安倍総理を擁護する余り、「総理の意向」文書を怪文書と決めつけ、出所不明の文書として葬り去ろうとしていた。

前川・前文科省事務次官が「ある文書をないとは言えない」と記者会見で言及した事に対しても前川さんの人格攻撃で印象操作しこれも葬り去ろうとした。

しかし、メデイア、野党の執拗な責任追及で安倍総理は「徹底調査」を指示する羽目になった。菅官房長官の初動対応が批判されている。「策士策に溺れる」とは良く言ったものだ。

小泉政権時の田中真紀子外相が「政権の取り巻きが悪い」と福田官房長官を批判したことがあるが、福田さんは「取り巻きとは私のこと」ととぼけていたが、田中外相の首切りに一役買った事を批判されたのだろう。あの時は田中外相を罷免しなければ外交が出来なくなっていた時代だ。

でも人事権や脅しで事が動く時代ではない。従来の官房長官を思い出す。

細川政権で官房長官をやった竹村さんだ。細川さん、小沢さんと大蔵省が国民福祉税を真夜中に提案したとき、聞いていなかった竹村さんは翌朝の記者会見で「過ちは改むるにばかることなかれ」と不快感をあらわにした。

小沢さんの存在もあってそれ以降、細川内閣は求心力を失い政治資金のスキャンダルで政権を放り出した。国民福祉税と言っても「腰だめ」と細川さんが言っていたように内容は曖昧なものだった。当時は大蔵省が政権に大きな影響力を持っていたのだ。

次に思い出すのが森内閣、小泉内閣で官房長官をやった福田康夫さんだ。「えひめ丸」とか言っていた高校の練習船がハワイ沖で米・潜水艦と接触事故を起こし多数の死亡者を出したニュースが入っても私的ゴルフに興じていたことが問題になったり、「神の国」発言で批判されたとき、「弁明長官」と自らのことを言っていた。私も群馬にいて福田さんは同じ選挙区だったので覚えている。記者会見では記者の質問にとぼけた発言で応じていた。

でも、やっぱり凄い官房長官だと思ったのは中曽根内閣時の「後藤田正晴」さんだ。警察庁長官を辞め、徳島選挙区から国政へ打って出たが最初は多くの選挙違反者を出し汚点を作った。しかしその後の政治家としては評価されている。

後藤田さんは体を張って国益を守ったのだ。ペルシャ湾周辺で戦争が激化していた時、中曽根総理が海上自衛隊をペルシャ湾に派遣しようとしたとき「私はサインしていない」、「私を首にしてやれ」と総理に訴え、総理は派遣を断念した。

後に、後藤田さんがいたから「今の私がある」と感謝していたのを覚えている。さらにテレビのコメンテーターが後藤田さんを評価していた。中曽根さんが「警察庁(?)の人事で誰々を使え」と言った時、後藤田さんは「私に出来るはずがない」と頑なに拒否したそうだ。

今、後藤田さんが官房長官だったらどうするか。

今回のテロ準備罪での異例は手を使った強行突破は反対していただろう。憲法改正発言も時期尚早でブレーキをかけたはずだ。加計学園疑惑ではどう出ただろうか。

擁護するのではなく、「安倍総理の説明責任」を要求し国益を守ったはずだ。

自分の息の合った人材を官房長官にすえる事は常套手段だが、煙たい人材を据える事により国民に善政を提供できるのだ。中曽根―後藤田政権がなつかしい。


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