2017年7月1日土曜日

浜岡原発と東海地震:震源域のど真ん中に立地し再稼働の是非が問われる

東海地震の想定域の南西に大きな歪みが蓄積
黒い点が浜岡原発
産経新聞 2016.5.24
3選を果たした川勝平太・静岡県知事が浜岡原発再稼働に「反対」を表明した。浜岡原発は何時起きても不思議ではないと言われている東海地震の想定震源域のど真ん中に立地、3.11東北地方太平洋沖地震のあと、当時の菅総理が稼働中の原発を停止するよう勧告し、中部電力は当初抵抗していたが総理の要望として重く受け止め停止した。

川勝知事は「任期中の4年間で動く気配はない」「もし動くようなことがあれば反対する」と記者会見で言った。「安全なら動かしても良い」という政府の方針に反論する(読売新聞2017.6.26)。

浜岡原発に福島第一原発クラスの事故が発生すると大動脈も抱え甚大な影響を日本経済に及ぼすが、その発生確率は30年以内、M8~9、確率は70%なのだ。

朝日新聞 2014.5.25
揺れの最大は2000ガル、津波高さは8~21m、風向きにもよるが風速毎秒2mで東に向けば富士山を越え神奈川、東京に及び西に向けば名古屋を越える(朝日新聞2014.5.25)。

東海地震と言えば南海トラフ関連の巨大地震の発生で1968年地震予知連絡会が遠州灘~駿河湾での候補地となった。伊豆~東海地方沖東半に大地震の可能性が指摘され、大規模地震対策特別措置法で強化され「東海地震」となったようだ。

予知、対策の重点地域に指定され今、地震が発生した場合に最も予知が可能な地震と言われているが、これには学会でも異論がある。地震発生のメカニズムも分かっていないのに発生が予知できるとは思えないというのだ。

「何時起きても不思議ではない」というのに未だ起きていない。何故だ。

既に起きたのか、それとも発生周期の見方が違ってまだ先なのかと言う事になる。

以前は、東海地震、東南海地震、南海地震、日向灘地震が単独に発生するとみられていたが、最近は4連動で南海トラフ巨大地震、M9クラスの発生が予測されている。

そして周辺で起きた過去の地震の周期、それぞれの地震の特性研究から南海トラフ地震が次に発生するのは200年先とする研究が発表された。

でも決して安心はできない。東海地震想定震源域の南西側に大きく歪みが蓄積していることが海上保安庁の海底観測で分かった(産経新聞 2016.5.24)。

これにより東海地震の見直しが必要になったというのだ。文科省は高知県沖から宮崎県沖にかけて海底観測網を整備する計画を打ち出した。紀伊半島沖には防災科学技術研究所がDONETの常時監視システムが設置されている。

南海トラフ巨大地震の観測網が拡大され、常時監視の体制が整備するのだ。

更には「スロースリップ」の観測も怠ってはいけない。スロースリップが止まったところが巨大地震の発生域になるのだ。

南海トラフ巨大地震の震源域内に浜岡原発は立地している。専門家も再稼働に反対だ。政府は安全が確認された原発から順次再稼働を狙っているが、中部電力がどうでるか。8~21mの津波が押し寄せると言うが写真で見る限り防潮堤は華奢過ぎないか。

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